第12章 手放す
マルコは俺を強く抱きしめ、潰されるかと思うほどだった。しかししばらくして、彼女は手を緩めた。
彼女は俺を目の前に持ってきた。俺はまだ小さすぎて——彼女の顔は俺にとって壁のようで、表情すらよく見えなかった。
「リリィ。」彼女が呼ぶ。
「うん。」
「ママは私を一度も愛したことなんてなかったのかな。」
すぐには答えなかった。
酒場の女将と城の女王は、ココアの話では同一人物だ。でもその二人はまったく違う——一人は悪党の前で愛想笑いをし、一人は子供たちを調味料に変える。一人はココアを外に出すなと言い、一人はココアに無理やりあれを飲ませる。
もしどちらも彼女の母親なら、母親が一体何をしたいのか、俺にはまったくわからない。
「わからない。」俺は言った。「でも俺が見たことは、君が言うのとは少し違う。」
「どこが違うの?」
「彼女は悪党たちを二階に上げなかった。君にもあの酒に触るなと言った。」
ココアはしばらく黙った。声はとても小さかった。「うん。そう言われると、確かに私に優しい時もあった。」
彼女が聞き入れたと思った。
「でも、愛してるなんて一度も言わなかった。」彼女は付け加えた。「いつも規則で諭して、私を縛ってきた。それに、表向きは善良で、裏では吐き気がするようなことをしている女王だよ。」
その口調はとても平坦だった。怒りでも悲しみでもない——ずっと前から知っていて、ただ認めたくなかっただけのようだ。
【しまった。俺がそう言ったせいで、彼女は良いところと悪いところを比べてしまった。比べた結果、悪い方が良い方を上回ったままだ。】
どう返せばいいかわからない。彼女の母親についての俺の知識はこれだけだ。これ以上話しても、自分でも確信が持てない。
「ココア。」話題を変えた。「どうしてこんな姿になったのか、教えてくれるか?」
「私は彼女があの液体で育てた……道具。」
「道具?」
「部屋の両側にいた子供たちと同じだよ。」彼女は言う。「選び抜かれた彼らも、ただの彼女の道具。さっきは彼らがどこへ行ったか見えなかったでしょ——今見てみて。」
彼女は俺を胸の位置に置いた。外には、さっきの二人の子供によく似た大人が話しているのが見える。話し方や動作からして、まさにその二人だ。
【ココアは生き残った子供たちをそう見ているのか?】
「じゃあ、なぜ道具なんだ?」
「ママは誰も城に入れない。選び抜かれた子供も道具、淘汰された子供も道具。」彼女の声は平坦だ。「私も例外じゃないのかもしれない。」
彼女は続ける。
「やっとわかった。彼女がなぜ他の子供たちにあんなに気を遣うのか。人材も必要だし、調味料も必要。私は彼女の血を分けた子で、彼女が築いた帝国を継がなければならない——だからまだ死ねないし、人材になる必要もない。」
「そして彼女には怪物が必要。今の私のように。世界を体に呑み込み、自分の意識でそれを支配できる存在が——父親の仇を討つために。」
彼女はゆっくり話し、一語一語、自分が言ったことを確かめるようだった。しかしここまで聞いて、俺はかえってわからなくなった。
「でも本当に仇を討ちたいなら、なぜあの人たちに媚びるんだ? なぜ彼らには城門を開き、自分の臣民には閉ざす? なぜ他人の子供を犠牲にする?」
ココアは俺の問いに答えなかった。ただ話し続ける。
「朔でさえ、こんな私を見たことはない。だから、むしろ私を殺したほうがいい。でなければ、この世界は遅かれ早かれ、私に完全に呑み込まれ溶かされてしまう。」
【特殊アイテムはあと一つ。リボンと小球——今戦うとして、どうやって戦うんだ?】
青い蛍。どうしてあんな位置に?
ココアに高く掲げられ、彼女は俺の答えを待っている。そのおかげで、彼女の目の近くに飛んでいる蛍が見えた。
【まさか。三つ目のアイテムはココアの目? ボスからアイテムを取ったことなんてないのに。】
「リリィ、あなたも気づいたでしょ?」ココアが静かに言う。「とても温かい。青い火光、ママの酒場みたい。」
「ああ。でもそれが君の目の前に現れるのは、良いことじゃない。」
「大丈夫。それがあなたに何をさせようとしているか、わかってる。」彼女は一瞬間を置いた。「昔、朔の炎が私をこの世界へ導いたように。ここにいて確かに楽しかった——少なくとももう誰かに恐れられることはない。でも悲しい。ママがまだいた時よりも悲しい。」
「でもそれの意味は……君の目を取れってことだ。」
「なら取って。目が一つなくなったところで、今の私には何の影響もない。」
ココアは自ら俺を目の前まで掲げた。彼女の目がゆっくりと近づく。俺は心を決めて、刺剣を突き刺した。
彼女の体は、体内にいた時よりもずっと希薄だった。刺剣を動かすと、眼球が流れる液体のように零れ落ちる。しかしすぐに、膠質がまた大きな球体に集まった。
「少し痛い。でも大丈夫。」彼女はなんと笑った。「五官がそのまま取れたらどうしようかと、私も心配してた。」
青い蛍がその隙間から飛び出し、眼球の上に止まり、消えた。
どうやらその意味を誤解してはいなかったようだ。
「俺は君と戦いたくない、ココア。」
「わかってる。」彼女は俺の言葉を受けた。「あなたが何を言おうとしてるかもわかる——私は子供すぎるのに、あまりに人の気持ちを理解しすぎて、分別があって、大人びている。」
彼女は一瞬間を置いた。
「私もあなたと戦いたくない。教えて、どうすれば私を殺せるの?」
「君の首を貫く。でも……」
「なら刺して。リリィの手伝いをすると言ったから。」
ココアはまったく手を出さなかった。ただ俺を首のそばに置き、俺のなすがままにした。
「殺す前に、もう一度抱きしめてくれる?」
刺そうとした時、彼女がそう言った。
もちろん。
刺剣をしまい、まず彼女を抱きしめた。
彼女の体は膠質だったが、温度は本物だった。
それから、刺剣を突き刺した。
ココアは他のボスのように弾けたり砕けたりしなかった。彼女はそっと体を縮めた——まるで、ずっと重いものを抱えていた人が、ゆっくりと手を緩めるように。
沼地が彼女の体内から滑り落ち、あるべき場所へ戻っていく。教会は彼女の体からそっと下ろされ、沼地の上に落ちる。王都、酒場、あの子供たち、あの藍赤色の川——すべてが彼女の体から解放され、本来あるべき場所へ戻っていった。
そして彼女は縮んでいった。天を覆う半神から、一人の少女のあるべき大きさへ。膠質が一枚一枚剥がれ落ち、下の顔が現れる——整った五官、柔らかな光。
彼女は俺を見て、笑った。その一瞬、彼女は女王でも、ココアでも、マルコでもなかった。ただ、ようやく何かを手放した一人の子供だった。
そして彼女は消えた。
『名無しの遺燼』が、これまでと同じように俺の手に落ちてきた。




