幕間 祭壇の夜
教会に戻り、俺は【ヴィロシの遺燼】を持って朔のところへ向かった。
「朔、ヴィロシ様の遺燼の縁に黒い模様があるんだ。何か知ってるか?」
朔はそれを受け取り、しばらくじっくりと見つめてから、指先でそっと縁に触れた。黒い模様はまるで生きているかのように、彼女の指先の方向に沿ってゆっくりと流れた。
「これはおそらくヴィロシ様特有のものだろう。」 彼女は遺燼を返す。「他の英雄たちのような明確な闇の側面を持っているわけじゃない——彼女の闇は『聞いた話』だ。彼女が信じすぎた言葉や、頼りすぎた人々が、彼女の記憶に痕跡を残した。まるでこの模様が手の動きに合わせて移動するように。」
「さすが朔だ。よく知ってるな。」
「おかしなことを言わないでくれ。」 彼女はそっと首を振る。「あなたが見せてくれなければ、私も気づかなかっただろう。それにヴィロシ本人に聞いても、おそらく同じことを言うだろう。」
「本当か?」
「リリィも知っての通り、彼女は道化師だ。そういう人間はたいてい自虐的な笑いを好む——それがジョークの一部だからな。」
「それもそうだ。」
遺燼をしまい、振り返って青い蛍の方へ歩いていく。
「じゃあ祭壇に納めてくる。後でまた戻ってくる。」
「うん。」 朔の声が後ろから聞こえる。「急がなくていいよ。みんなと仲良くしてきなさい。」
足が一瞬止まった。
【……変だ。この言葉が朔の口から出るなんて、どうもおかしい。今まで一度もこんなことを言ったことがなかった。今日はどうしたんだ?】
横目で彼女を一瞥する。彼女はもう石の台座の方へ向き直っていて、あの言葉はただの通り一遍のものだったかのようだ。
まあいい。今は考えないことにしよう。
青い蛍に触れる。光が揺れ、木の家の中へ。
人が増えると、この木の家がずいぶん狭く感じられる。しかし入ってすぐに気づいた——コロティアのベッドがない。
「みんな、コロティアはどこだ?」
「ここにいるよ、リリィ。」
コロティアが壁に新しくできた扉から出てきて、自分の普段着を着ている。まるでもうしばらく住んでいたかのようだ。彼女は俺の前に来て、ごく自然に腰をかがめて俺を抱き上げた。
「仲良くなると専用の部屋がもらえるのか?」 ソノラが横で笑いながら言う。「それはずるすぎないか? 部屋の中で何をしてたのか、すごく気になるな。」
「みんなごめん、ちょっと取り乱してしまった。」
コロティアが俺の頬に擦り寄ってから、ようやく下ろしてくれた。
「また新しいのか?」 フラグが寝返りを打って、俺を一瞥した。「好きにしろ好きにしろ。どうせ何を言っても無駄だ。」
【おや、今回は水を差さなかったのか? 口調は相変わらずだけど、少なくとも刺のある言葉はなかったな。】
ヴィロシの遺燼を空いている場所に置く。ベッドがすぐに現れた——他の人のとは違って、彼女のベッドの周りにはたくさんの物が積まれていた。小型の一輪車、様々な大きさのボール、そしてコースにあったのと同じユニコーンの玩具が枕元に置かれている。
光が完全に落ち着く前に、ヴィロシが現れた。
「やっほー! みんなこんにちは!」 彼女はベッドから飛び降りて一回転する。「わあ! 結構な人数だ! みんな小さな子の友達だろ? 曲芸は好き? 見たい? 今すぐ見せてあげられるよ!」
「何?」
カタイナの声が闇の中から聞こえる。起こされたようだ。彼女は見えないので、声のした方へ顔を上げただけで、また頭を下ろした。彼女はまだ突然の早口に完全には慣れていなかったが、以前のようにすぐに緊張することはなくなっていた。
「この娘さん、本当に元気だね。」 ソノラが笑う。
「うん。」 フラグがベッドにうつ伏せになって、ただ一声だけ返す。
「曲芸?」 ニクスの声が隅から聞こえてくる。他の人より少し小さい。「あの芸を見せてくれるのか? もう長いこと見ていないんだ。」
「何何? 教えてくれよ、もしかしたらできるかもしれない。」 ヴィロシの熱意が明らかに増した。
ニクスが近づいて、耳元で小さく何かを言った。俺はいくつかの単語しか聞こえず、全文はわからなかった。
「名前だけでもなかなか良さそうだ。」 ソノラは聞こえていたらしい。「楽しみだね。」
「おおお、あれか、できるできる。」 ヴィロシは何度も首を縦に振った。「要は上品なものをわざと俗っぽくするってやつだ。音楽を!」
「ちょうどいい。」
ソノラが音楽堂の入り口まで歩き、指先で枠を叩く。音楽が彼女に従って流れ出した。
ヴィロシがすぐに演目を始めた。短い喜劇で、台詞は庶民的で少しくだけていたが、リズムには正確に乗っていた。ソノラの音楽は素早く追随し、最初は正式なバックグラウンドミュージックだったものが次第に変調し、最後には彼女の冗談に合わせるようになっていた。
みんなとても楽しそうだった。フラグはこちらを向いてはいなかったが、その肩が微かに震えているのが見えた——笑いをこらえているのだろう。
カタイナの反応が一番意外だった。彼女の呼吸はさっきよりずっと落ち着いていて、体も以前のように強張っていなかった。彼女には見えないが、誰よりも真剣に聞いていた。
ヴィロシは最後に自分特有の決めポーズを入れた。早口で聞き取れない台詞を、真面目な表情のキャラクターが言い、相手のキャラクターがしばらく固まってから「……何て言った?」とだけ言うものだった。
皆が笑った。
演目が終わり、ヴィロシのそばに歩み寄る。
「どうやら俺が何か言う必要はなさそうだな。」
「もちろんさ。」 彼女は手を叩く。「まさかこんなにみんなが俺の芸を理解してくれるとは思わなかった。こんな芝居をやって楽しいと思ったのは久しぶりだ。」
「また英雄に戻った気分はどうだ?」
「英雄じゃないよ。」 彼女は俺を見た。「また自分自身に戻ったって感じだ。」
彼女は横を向き、手で耳を叩いた。もう一方の耳から虫の形をした小さなものが落ち、手のひらに収まった。
「そうだ——」 彼女はそれを掲げて見せた。「ここにいる何人かがこんな虫を持ってるのに気づいたんだ。小さな子、あの人に会ったことあるか?」
「ある。」 その虫の形をした道具を見る。「何度か届け物を頼まれたこともある。ソノラとカタイナのもとへ届けたのは俺だ。」
「そうだったのか。あの人、もうそんなに多くの人に会ってたのか……」 ヴィロシは手の中の虫を見下ろし、声が一拍遅れた。「あいつは危険かもしれない——俺よりずっと悪いかもしれない。」
「そうとも言えないな」 一瞬間を置く。「あいつはニクスを助けたんだ。」
「本当か? それは知らなかった。」 彼女は虫を空中に投げては受け止めた。「俺が知っているのは、朔についての悪口は全部あいつから聞いたってことだ。それにあいつはこれを俺の脳みそに仕込んでも——いつでも取り出せるとも言ってた。実際、今は確かに俺の手にある。」
「じゃあ彼女が誰か知ってるのか?」
「お前に名前を教えなかったんだろ? 当然俺にも教えないさ。」
「……わかった。」
彼女がその虫の形の道具をポケットにしまうのを見ていた。ニクスも似たようなことを言っていた。ヴィロシも同じことを言った。あの女の姿は、これらの会話を通じてますます具体的になり、同時にますます曖昧になっていく。
【てっきりお前はただの撹乱要因かと思ってたけど、ヴィロシがこんなことを言うなら——お前にはまだどれだけのことが水面下に隠れているんだ?】




