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転生ぬいぐるみ、俺は〈十八〉の全女ソウルライクBOSSたちに真の終局をもたらす!  作者: 野間羊
第1巻 フラグ編

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第9章 フラグ、現る

 大殿の前を一周してみると、本当に二本の変な水晶柱が見つかった。


 すごく離れていたのに、意外なほど対称的だ。


 傾き方が変なだけでなく、柱の表面にはぐるぐると円形の模様がある。水晶が層になって伸びていった痕みたいだ。


 近づいてよく見ると——模様の間に細いひび割れが挟まっていて、底が見えない。


【中に何か隠れてないか?】


 でもじっと見てても、何も見えない。


【光沢的に何かありそうなのに、どうやって解くのかさっぱりわからん……】


 柱の表面に触ってみると、冷たくてちょっとチクチクする。


 隣の烁殻虫シャクカクチュウが鼻を鳴らして、早く何とかしろと急かしてる。


【焦るなよ……考えさせてくれよ。】


 ぶつかってみるか? もし割れたら中から出てくるかもしれない。


 距離を取って、烁殻虫シャクカクチュウに思い切り体当たりさせる。


「ドン——」


 柱はびくともしない。めちゃくちゃ固い。


 そんな言い方も変だけど、本当に何のダメージもない——余震がもう地震みたいになってるのに。


【おかしいな……】


 いや、もう一度見てよかった。


 この柱、ちょっとだけ向きが変わってる気がする。


 すぐに向かいの傾いた柱と見比べる。


【ああ、そういうことか。ぶつかっても動かないんじゃなくて、先端の向きが合ってないだけなんじゃないか?】


 烁殻虫シャクカクチュウのクールタイムが終わるのを待って、もう一本の柱にぶつける。


 そっちも少しだけ向きが変わった。


【つまり、両方とも向きが間違ってるんだ。正しい向きに合わせたら、何かヒントがあるはずだ。】


 だから同じ柱にぶつかり続ける。クールタイムが終わるたびにぶつける。


 すると、向きが合った瞬間——「カチッ」って音がして、何かがはまったような感触。


【よし。じゃあもう一本は右に五回ぶつければいいな。】


 両方の柱が回らなくなった後、突然、柱の間から一筋の光が現れた——柱の中から放たれてる光だ。


 二つの光の先端が一点に集まり、そこからアイテムが落ちてきた。どうやらまた安定した晶核の欠片らしい。


【システム通知:安定した晶核の欠片・その二を獲得しました。】


 また記憶だ。


「呪われ……永遠に去れ……死を受け入れろ……」


 映像はなく、ただ途切れ途切れの言葉だけ。直感で、これは前の欠片の後に起きたことだと思う。でも誰が誰に言ったのか、さっぱりわからない。


 記憶が終わると、自分がもう大殿の前にいないことに気づいた。


 光が突然暗くなり、さっきまであった砕けた水晶柱はまるで色を奪われたように、ただ灰色の影だけが残っている。空気も重くて、烁殻虫シャクカクチュウは不安そうに地面を掘り始めた。


【俺、動いてないのに……なんで急にボス部屋に入ってるんだ?!】


 大殿の奥で、一人の影がゆっくりと振り返った。


 フラグだ。


 テストサーバーの時とは全然違う。


 昔は水晶の鎧を着て、水晶節杖スイショウセツジョウを持って、せめて人間の形をしてた。


 でも今はもう、あの水晶騎士のイメージじゃない。


 体中にひび割れが走ってるのに、それでも何か……肉や血がつながってる。


 肉と肉の間には大小さまざまな水晶が浮かんでいて、飾りみたいだ。砕けてかすかな光しか残ってないのもある。その光は呼吸みたいに、明るくなったり暗くなったりしてる。


 彼女は俺の存在を感じ取ったのか、水晶節杖スイショウセツジョウを手に取り、ゆっくりと向き直る。


 節杖の外側は確かに水晶。でも中には——明らかにすごく長い、長管状の骨が入っている。


 絶対に何かの巨大な生物から抜き取ったものだ。


 この様子を見てると、ちょっと怖くなってきた。


 それに、目の前に実在するフラグを見て、胸が痛む。呪いでこんな姿になったんだろうけど、全身がずっと砕け続けるって——骨も肉も——想像しただけでつらい。


【ダメダメ、もう幻痛が始まった。この体、痛くないはずなのに……】


「あなたが……私に挑むの? めんどくさい……」


 彼女が水晶節杖スイショウセツジョウを軽く振っただけで、すごく強い波動が走る。


 俺の烁殻虫シャクカクチュウが本能的に後ずさる。


 大殿の中の水晶がカラカラと音を立て、天井から落ちたものもあり、地面に当たって粉々になった。


【大丈夫大丈夫、緊張するな。俺は痛くないし、死んだって朔のところに戻るだけだ。】


【でも心臓の鼓動がすごく速いし、手も震えてる……やめにできないかな、ううう。】

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