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16話「生贄の儀式」
生贄の儀式。
あの村で毎年行われている儀式だ。
仮死環神社に生贄を捧げ、村に何の不幸もなく暮らす出来すぎた話。
高校生の子供が生贄の対象。それがなぜなのか、そもそも儀式自体がいつ始まったかもわからない。あの村がいつ出来たかも。
わかることは、その儀式に村人が疑問を抱かないこと。そして、村人は村に引きこまれ、執着してしまう。よそから来た者もだ。
だからあの村は、狭いコミュニティでも成り立っている。
……自分たちが、狂っていくことも知らずに。
「でも、俺が……朝陽を、殺した……」
か細い声が聞こえる。
その声の主は宮野海音。先日アラタはその弟、宮野朝陽の命を奪った。
殺害した、というわけではない。魂を刈りとった。
死神。それがアラタの種族。
そして今、アラタの罪が明かされるところだ。
「宮野朝陽は嘘をつかれた。この契約の本当の内容は『宮野朝陽と宮野海音の寿命を交換する』。本来宮野海音が死ぬ時に宮野朝陽が死んだ」
「っつ」
耳を塞ぎたくなるような言葉。
でも聞かなければならない。
これも自分への"罰"なのだから。




