15話「ガチのイケメン」
後日、引越し準備が終わり、とうとう引越し当日になった。
村の人たちが沢山集まって、見送ってくれた。
「優ー、俺寂しいよー」
「…俺も寂しい」
「優って変わったように見えてあんま変わってないよな」
「それ褒めてる?」
「褒めてるよ」
クラスメイトに見送ってもらったあと、清水と内田がプレゼントと共に来てくれた。
「これまでも引っ越す人たちを見送ってきたけど、まさか優がそっち側になるとは思ってなかったよ」
「村総出で見送るけど、そこまで直前じゃないんだな。初めて知ったわ」
正直引っ越しはしたくないけど、レポート発表には参加できるからまだ許せるものの、
相変わらずマイペースな二人になんだか安心する。
「雰囲気イケイケ男子たちに負けるなよ?優、ガチのイケメンだから」
「え、何急にどうしたの?」
「狙ってくる女子たちにも気をつけろよ?優、ガチのイケメンだから」
「ガチのイケメンって何?」
『ガチのイケメンはガチのイケメンだよ!』
「だから何それー!」
三人で笑いあって、ちゃんと父さんを待たせる。父さんたちも口を出せることではないので、ただひたすら見守られる。これは自分なりに反抗しているつもりだ。
「まぁ、何かあったら連絡しろよな。いろいろ話聞かせて。転校先で出来るかもしれない友達のこととか」
「村でも引越し先でも、またみんなで遊ぼう。そこまで遠くないんだろ?寂しく感じることはないよ」
「え、二人ともガチのイケメンじゃん」
暖かい気持ちになって、プレゼントを抱きしめる。
「二人ともありがとう。とりあえず着いたら連絡するよ」
「OK!待ってる」
「こちらこそありがとう。レポート作り楽しかったよ」
車に乗り、父さんがエンジンをかけ、窓を開ける。
『またなー』
ぶんぶんと大きく手を振る二人に、窓から顔を出して振り返す。
正直不安でいっぱいだけど、なんだか大丈夫なような気がした。




