第6話 【悲報】常識を知らなかった
「ところで鑑定魔法ってどうやってやるんですか?」
魔法を使うのなんて初めてなのでやり方がさっぱり分からない。というわけで軽い気持ちで聞いてみたのだが。
「え?もしかして魔法の使い方を知らないのかい?」
「知りませんけど…」
「あの試験のときは?身体強化を使っていたんじゃないのかい?」
「いやいや!使ってませんよ?」
「…そう。ふぅん。魔法無しであの動きか…(小声)」
なんかゴニョゴニョと失礼なことを言われている気がする。こういう勘は俺はよく当たるのだ。
「失礼。また話が逸れたね。鑑定魔法は相手のことを見ながら【鑑定】と唱えれば出来るよ。慣れれば無詠唱でもできる。一番簡単な基本となる魔法だからね。」
なるほど。というわけでバランさんに向けて使ってみる。「【鑑定】!」
すると、バランさんのステータスが表示された。
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【名前】アベレージス・バラン
【二つ名】均衡を保つ者
【所属】冒険者ギルド教育係
【能力】「平均」
【レベル】50
【属性】火、水、風、土
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残念ながら能力の説明とかは見れなかった。原理とか書いてあったら気になったのに。そのことをバランさんに伝えると、慰めるように言ってきた。
「まあ、まだ未熟だからね。レベルが上がれば能力と魔法の出力も上がっていくから。」
「最初はみんなこんなものなんですかね?」
自分の鑑定結果をバランさんにも見せてみる。
すると、
「レベル1でここまで詳細に…?確かに秘匿は解いたけど、属性まで。無属性持ちだから鑑定魔法も強化対象だけど、それにしてもだ。能力効果か?」
うん、なんかまたブツブツ言ってる。ところで今気になることを言っていたな。
「バランさんは俺のステータスを見れるんですか?」
「まあね。一応見せておこうか。」
バランさんが俺への鑑定の結果を見せてくれた。
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【名前】ユキタ・サダメ
【二つ名】■■■
【所属】冒険者(仮)
【能力】「幸運」
自分にとって都合の良いことの起こる確率を引き上げる。また、低い確率でもそれを引きやすくなる。
【レベル】1
【属性】火、水、風、土、無「特異者」
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おお!能力の説明が俺より丁寧だ!
…いや、なんで?能力所持者よりほかの人の方が分かりやすく書かれてるんだよ?自分が分かんなきゃ始まんねえだろうがよ!
「何かイライラしているようだけど、これは異常なことなんだ。レベル50である私の鑑定で【二つ名】が公開されていないなんてね。秘匿していたとしても分かるはずなんだけどね。レベル差もあるのだから。」
「秘匿ですか?そんな設定していませんよ?」
確かにそんなことができたが隠す意味を感じなかったので、特に初期設定からいじっていないのだ。
「秘匿していないのなら、誰でも見れるはずなんだけどねぇ。まるで世界そのものが君の二つ名を隠したがっているようだ。」
あ!転移者だからか!世界の異常みたいなものだからほかの人に見られたら困る的な話なのかもしれない。俺にはわからんが。
「まあ、いいさ。でもレベルや能力、属性は隠しておいたほうが良いよ?相手に情報を出来るだけ与えないのが戦いにおいては大切だ。もちろん相手が強者なら秘匿も意味はなくなるけどね。」
確かに戦争とかでも情報戦が行われるくらいには情報は戦いにおいて大切だ。相手が使える技が分かればそれで対策ができるのだから。
「じゃあ、今日の特訓はここまでにしよう。君も仮の家とかを探す必要があるだろうしね。とりあえず冒険者になるまでの一ヶ月分のお金として渡しておくよ。」
ドサッ
サダメは革袋をゲットした!
中には大量の銀貨が入っていた!
じゃねーよ!え?銀貨?銅貨ではなく?
「すいません。これ一ヶ月分で合ってますか?大量の銀貨なんですけど…?」
「は?何を言っているんだい?一ヶ月の宿と食事代でおおよそ銀貨30枚。武器の購入、防具や服も必要だろう?むしろギリギリだよ。」
数えてみると銀貨50枚が入っていた。
「あのぉ。すみません。実はお金についてちゃんと分かってなくて…」
「なんだって?はぁ。君は常識をあまり知らないようだね。まるで別の世界から来ているみたいだ。」
ドッキーン!
危うく心臓が止まるかと思ったが、色々な物価とかについての話を聞くことができた。
これについてもまとめてみると、
・銅貨10000枚=銀貨100枚=金貨1枚
100枚ごとで上位の貨幣に両替可能。
・金貨の上にプラチナ貨やミスリル貨もあるがほとんど貴族たちが金持ちの証明として数枚持っているかいないか程度。自分たち冒険者は知らなくても大丈夫。
・食事付きの普通の宿がたいてい1泊銀貨1枚。
・日本での物価に換算するなら
銅貨1枚=100円 銀貨1枚=1万円 金貨1枚=100万円
プラチナ貨1枚=1億円 ミスリル貨1枚=100億円
…といったところだろうか。
つまり今回の支給額は50万円に相当する。
だが確かに武器は高い。そう考えると一ヶ月でこれは妥当なのかもしれない。
というかバランさんもしかして気づいてる?俺が別の世界から来たこと。いやさすがにだと思うけど。
というわけでバランさんオススメの宿に向かって歩いている途中、誰かとぶつかる。
「あ、すいません。」
「ふん、気をつけるがよい。」
カチンと来たがオトナの対応で受け流す。フードを被った金色の目をした若い男だった。青年と言っても良いかもしれない。
まあ、特に気にはしない。のんびり宿へ向かうことにした。明日も早いしね。
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「へぇ。面白いじゃないか。」
先ほど「見た」少年の能力はなかなかに良い。属性もなんと特異者だ。ステータスはこんなものだ。
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【名前】ユキタ・サダメ
【二つ名】■■■
【所属】冒険者(仮)
【能力】「幸運」
自分にとって都合の良いことを起こすことができる。発動は完全にランダム。また、自分の望む確率を引き当てやすくなる。確率支配。
【レベル】1(?)
【属性】火、水、風、土、無「特異者」
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(不思議なこともあるものだ。あらゆるものを見通す僕の能力「神眼」で見れないものがあるなんて。)
金色の目を光らせてオール・ノウンは歩く。王城へと向けて…。
なぜなら彼はこの王国の影を統べる…「隠密」なのだから。
魔法にはそれぞれ詠唱がある(【鑑定】ならウォッチ)のですが毎回書くのは面倒なので魔法名だけ書きます。
あとで魔法の呪文いろいろでも書いておこうかな。




