第3話 登録試験
お楽しみいただけていますか?
能力に既視感があるなぁと言う人もいるでしょうが性格などは違うはずなので新鮮な気持ちで楽しんでいただければと思います。
試験が始まった。
「さて、まずは軽くいこうか。」
フッ
気づいた時には彼が目の前にいた。手刀を放っている。勘で体をひねってギリギリでかわした。
(舐めてた…。この人…強い!)
力はそこまでだろう。だが技術が極まっている。放った後の隙が全くなかった。
「へぇ。なかなかやるじゃないか。」
「あなた…こそっ!」
話している間も常にパンチとキックが放たれる。一切ムダのない流れるような動作だった。そのすべてを勘でかわす。おそらく能力が作用しているのだろう。
(まずいな…)
何がまずいって一切こちらから攻撃ができていないのだ。このままだと不合格にされてもおかしくないだろう。隙があれば…。
「おっと?」
そう思っていると突然足を滑らせたようでバランスを崩していた。
(チャンス!)
これを見逃すほど愚かではない。全力を込めた一撃を放った。それは偶然だが、彼のみぞおちを狙って放たれていた。
(いける!)
そう思ったのに…。
トスッ
あまりにも手応えが軽かった。なぜ?そう考えていたその時。
「隙だらけだね。」
ドゴッ!
蹴りをもろに腹に受けた。だが急所は外れていた。
まだだ。まだやれると思っていると突然めまいが襲ってきて、その場に倒れ込み気絶してしまった。
− − −
「はあ、やはりか。」
ギルドマスター、スリーウェイ・デッドロックはそうつぶやいた。新人の彼をここに連れてきた受付嬢に回復魔法をかけておくよう伝え、アベレージス・バラン、このギルドでもトップ3の実力者に語りかけた。
「相変わらずの能力だな。平均。だったか?」
「えぇ。殺さずに相手するのにこれ以上適した能力もないでしょう?私はくじであなたが出たらと気が気ではなかったのですよ?」
「お前が出たやつも絶望だろうがな。まさかほぼ無敵のやつを相手にすることになるとは思うまいよ。」
「…ふふっ。」
バランは笑う。彼には見どころがある。と。なぜだか身体能力だけならこのギルドで最強である自分の攻撃を30秒以上もかわし続けてみせたのだ。それも素人の若者が。である。
「彼は私が教育します。異論はありますか?」
「ああ。問題ない。俺もお前に一任しようと思っていたところだ。」
バランはおおらかにうなずくと先ほど自分が倒した若者の元へ向かった。
デッドロックはつぶやいた。
「かわいそうにな。まさか、攻撃を周囲に平均化されるなんて夢にも思うまいよ。」
サダメの特訓の日々が始まる。
【名前】スリーウェイ・デッドロック
【二つ名】一にして三
【所属】冒険者ギルド、ギルドマスター
【能力】ジャンケン
【レベル】66




