第2話 冒険者になろう
なにかトラブルが起こることもなくギルドの入り口の前までたどり着いた。強盗とかに襲われることもなかった。これも能力のおかげなのだろうか。
「よし、入ろう。」
サクッと中に入り、受付嬢に話しかけてみる。
「すみませーん。ギルドに登録をしたいのですがどうすればよいでしょうか?」
「はい!少々お待ちください!」
おお。どうやらスムーズに行きそうだ。
「では、これより登録試験を行いますので闘技場にお越しください!」
…前言撤回。どうやら試験が必要らしい。まあ、それはそうだろう。下手に冒険者にして、すぐ死なれたらメンツは丸つぶれだからな。
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というわけで闘技場にやってきたわけだが…
「すいません。観客が多くないですか?」
「それはそうでしょう。わざわざ危険な冒険者になろうとするということは何かしらの能力持ち、あるいは力自慢です。娯楽は少ないですからね。」
なるほど。確かに元の世界でもコロシアムなどがあった。戦いを安全なところから眺めるというのはスポーツ観戦にも通じるところがある。
「では試験を始めます。ギルドマスターがくじを引きますのでその人と戦っていただきます。あなたの戦いの様子を見て判断いたしますので手を抜きませんよう。」
くじに手を突っ込んでいるのは赤、青、緑の3色に鮮やかに染め分けた髪の男だ。あんなのがギルドマスターでこのギルドは大丈夫なんだろうか。
「ああ見えてもきちんと仕事はしているんですよ?」
おっと。受付嬢に釘をさされてしまった。顔に表情が漏れないように気をつけなければ。
「げ。えー、対戦相手はアベレージス・バランだ!」
うん。今「げ。」って言ったよね?俺は聞き逃していないぞ?
「はいはい。私ですか。まあ、ほどほどに相手してあげましょう。ひさびさの新人ですしね。」
といって出てきたのはいかにも一般人という見た目をした男性だった。筋骨隆々なわけではなく、魔法に秀でていそうでもない。むしろひょろっとした、印象の薄い男性だった。若いおじさんと言ったら伝わるだろうか。
(…これなら勝てるのでは?)
そんな考えがふとよぎった。倒してはいけないとは言われていない。勝てばかなりの地位が約束されるのではなかろうか?腐っても冒険者なのだから。これもなにかの幸運なのだろうか。
…そう考えていた昔の俺をぶん殴ってやりたい。彼は間違いなくこのギルドでも「最凶」の能力者だったのだから。
「よーい、はじめ!」
その言葉を合図に試験(負けイベ)が始まった。
【名前】アベレージス・バラン
【二つ名】均衡を保つ者
【所属】冒険者ギルド教育係
【能力】「平均」
【レベル】50
パラ高の平均さん知ってたらだいたいその人の能力だと思ってください。
あらゆるものを平均化する能力者です。




