第四話:設計図 〜小学生必死編〜
俺は机に向かい、ノートを一冊開いた。
ペンを握り、思考を整理する。
『掠奪種を根絶する』
これが最大の目的だ。高尚な正義感じゃない。理不尽に奪われないためだ。
好きな人が、自分が、踏みにじられないために。
そのために必要なのは――仕組みだ。
前世でのクソみたいな法律。社会のルール。それを書き換える。
そのために必要なものは明確だ。
力、地位、そして金。
指示される側では守れない。ならば、指示する側に回ろう。
俺は、スモールゴールとして、法律家を目指す。
最短ルートで、司法試験を突破する。
合格率は三%前後だが関係ない。
何せ俺は記憶継承したまま人生をやり直せるのだから。
(やってやれないことはない!!はずだ。今からメジャーリーガーを目指すわけではない。今から勉強すればきっと試験を突破できる。)
ノートに骨子を書き出す。
・中学三年までに司法試験突破
・高校で資金確保
・その後、ビジネスと人脈形成
・政治の中枢へ
荒い。だが十分だ。あとは現実に合わせて修正する。
さらに記憶を辿る。
ITバブル。巨大企業の台頭。SNSの普及。
そして――
掠奪種による治安悪化。
「……」
ペンが止まる。
(間に合わせる。冴子さんを今世では救ってみせる)
誰にも奪わせない。
そのために、何でもやる。
――ドスドスドス。
階段を上がってくる、重い足音。
俺はゆっくりと顔を上げた。
(ドスドス上がってくるなよ、うるさいなぁ)
現実が、来る。




