王都のギルド
母さんに別れを告げ、急いで部屋に駆けこむ。
「っは、よしっ間に合った!」
パトリックの姿を確認した瞬間、部屋中が眩い光に包まれた。
目がチカチカする…いつになっても、この眩しさには慣れないな。
目が光に順応していくと、そこは自分の部屋ではなく、王都で必ず訪れる場所にいた。二階まで突き抜けた広いホールに、壁に掲げられた金色の火の鳥の旗。突然人が二名ほど現れたのにも関わらず、皆平然と依頼の確認や、報酬の受け取り、様々なことを行っている。
あー来たわ…ギルドに
久しぶりだなーと思っていると、私と目が合った知らないおっさんがにかっと笑い、
「おう!来たか怪力娘!」
知らない人から怪力娘なんて言われたくないんですけど…
王都だから、地方のギルドと比べで人が多い。パトリックみたいに、転移魔術を使ってどこにでも行ける魔術師がいれば、情報やいい稼ぎになる依頼が多く集まる本部ギルドで働くのが一番だという認識が広く持たれている。転移魔術を家業にしている魔術師がいるくらいここには人が集まる。いつも見ているけれども故郷と比べると全く違うものだなー
ギルドにある私の部屋に荷物を置き、ホールで思い更けていた。
「来たか」
低く落ち着いた声がホールに響く。カウンターの奥にある扉から目覚えのある男が出てくる。
「ボス!」
鋭い緋色の眼光をこちらに向けてくるこの人こそ、このギルドのマスター、ギデオン・スラトリーだ。
ボスの元に駆け寄ると、相変わらず石のように表情が変化しない。そして、ボスの腕が上がり、
「いった~」
ゴンっと重たく、頭の中が揺さぶられるような拳が落ちてきた。
「まっまだ何もしてないですよ!」
理不尽なんですけど!!
そんな気持ちは伝わってくれなかったようで、首後ろを掴まれ、部屋に連れ込まれる。そのあとをパトリックが面倒くさそうな顔で追ってくる。
この扱い酷くない?




