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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第一章 藤本初盟

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第八話 国境に火が上がる

盟約成立から三月。


 夜明け前、北の国境から早馬が駆け込んだ。


「敵兵八百、越境!」


 旗は、あの盟約相手のものだった。


「本当に? 旗の見間違いじゃない?」


「三度確認しております!」


 間もなく、友政が駆け込んでくる。


「怒ってる?」


「別に」


「それ怒ってるやつやろ」


 澪は返事をせず、盟約書を広げた。


 越境禁止。

 大兵力の移動は事前に通告すること。


 その両方が、破られていた。


「……約束、守らなかったんだ」


 怒鳴るより、ずっと静かな声だった。

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