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第六話 話したから分かっただけ
視察の帰り、澪は何気なく言った。
「向こう、少し兵糧苦しそう」
「なんで分かる?」
「城下の米価が上がってた。兵の草鞋も擦り切れてたし、装備の補充も遅れてる」
澪は、交渉のついでに目に入ったものを淡々と並べていく。
「ほんまに和議しに行っただけ?」
「そうだって」
「普通に話しただけで、そこまで見られてるやん」
「全部じゃないよ。今、困ってることくらい」
友政は小さくため息をついた。
「敵に回したくない」
「じゃあ約束守って」
「俺、お前と盟約結んでないけど」
「じゃあ今結ぶ? 時間守るって」
「それは嫌」
澪は無言で、刀の柄に手をかけるふりをした。
友政は一歩だけ距離を取った。




