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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第一章 藤本初盟

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第六話 話したから分かっただけ

 視察の帰り、澪は何気なく言った。


「向こう、少し兵糧苦しそう」


「なんで分かる?」


「城下の米価が上がってた。兵の草鞋も擦り切れてたし、装備の補充も遅れてる」


 澪は、交渉のついでに目に入ったものを淡々と並べていく。


「ほんまに和議しに行っただけ?」


「そうだって」


「普通に話しただけで、そこまで見られてるやん」


「全部じゃないよ。今、困ってることくらい」


 友政は小さくため息をついた。


「敵に回したくない」


「じゃあ約束守って」


「俺、お前と盟約結んでないけど」


「じゃあ今結ぶ? 時間守るって」


「それは嫌」


 澪は無言で、刀の柄に手をかけるふりをした。


 友政は一歩だけ距離を取った。

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