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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第一章 藤本初盟

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第二話 女だから何ですか?

帰城から二日後、城主は澪を呼び出した。

「どうして初めての正式な外交で和議をまとめて帰ってくるのだ」と問われ、澪は首を傾げる。

「条件整理して、お互い困ること聞いて、譲れるところ決めただけですよ」

城主は眉をひそめた。さらに澪は、相手当主が慎重派であること、長男が強硬派で、次男が戦を嫌っていること、重臣二人の仲が悪いこと、兵糧にも余裕がなさそうなことを話す。

「……偵察へ行ったのか?」

「いいえ」

「では、どうやってそこまで知った?」

澪は不思議そうに首を傾げた。

「話したからです」

人の表情、何気ない雑談、城下の米価、兵の装備。澪は意識せず拾い、覚えている。

その性質が後に最大の武器になることを、澪はまだ知らなかった。

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