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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第二章 和を結ぶ者

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第十七話 敵城で団子を食う女

別の交渉先。


澪は敵城で出された団子を、平然と食べていた。


相手の家臣が苦笑する。


「毒とは考えんのか?」


澪は団子を一つ頬張った。


「殺すなら、囲んで斬る方が早いじゃん」


「……」


「使者を毒殺したって評判になる方が、そっちも損でしょ」


相手の家臣は、とうとう笑った。


「噂では、冷徹な策士と聞いていたが」


「普通の人って訂正してください」


澪は不満そうに言った。


交渉の空気が、少しだけ柔らかくなる。


そして澪が最後の団子へ手を伸ばした、その瞬間。


横から手が伸びた。


友政が奪った。


「それ私の!」


緊張していた広間に、笑いが広がった。


その後の交渉は、不思議なほど早く進んだ。

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