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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第二章 和を結ぶ者

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第十五話 七人

三日目。


補給を失った敵軍は、撤退を始めた。


友政が尋ねる。


「追う?」


澪は首を振った。


「次を作りたくない」


追えば、また戦になる。


戦えば、また誰かが死ぬ。


戦死者は、自軍三名。


敵四名。


計七名。


周囲は大勝だと喜んだ。


けれど澪は、報告書を見つめたままだった。


「三人は帰ってこない」


誰に聞かせるでもなく、呟く。


「四人も、向こうでは誰かの家族だった」


友政は黙っていた。


やがて、静かに言った。


「ゼロにはできん」


澪が顔を上げる。


「でも、七で終わらせた。それは結果やろ」


澪は答えなかった。


ただ、もう一度だけ報告書を見た。


後世、この戦は『北境七人戦』と呼ばれた。

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