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『約束を守っていただけなのに、なぜか天下が近づいてきました。』〜和議の娘と、遅刻魔の韋駄天〜  作者: 藤乃澪
第二章 和を結ぶ者

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第十三話 返事がないなら、それも返事です

方の中立が決まった。


敵は六百。


澪は、さらに兵糧村へ書状を送った。


「こちらは村へ兵を入れない。代わりに、越境軍へ米を渡さないでほしい」


村長はすぐには頷かなかった。


「約束を破れば?」


「二度と信用しません」


澪は即答した。


「……それだけか」


「それだけです」


しばらくして、村長は頷いた。


「分かった」


帰ってきた友政は、半刻遅れだった。


「雨やったんや」


「朝から降ってたでしょう」


「……まあ、そうやけど」


いつもの応酬。


だが、敵本隊からは返事がない。


二度、書状を送った。


二度とも返事はなかった。


澪は届いた報告書を静かに畳む。


「これで、“知らなかった”は言わせない」


戦う理由を曖昧にしない。


それが、澪の最低条件だった。

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