強襲!オーガグリズリー
奥の広間にいたゴブリン達を倒し、洞穴の出口を目指して歩いている私達だが、ゴブリン達を全滅させたのか、その姿を見ることは無かった。
洞穴の道幅は狭いため、あまり横に広がって歩くことが出来ず、先頭が私、次にミリアさん、その後ろをレーテの女性達、最後にジェストさんとほぼ一列になって歩いている。
「待って……、何かの気配を感じるわ……」
洞穴の出口へと近付くと、ミリアさんが制止をかけた。
すると、洞穴を覗き込むように一匹の猛獣が姿を表した。
「あれは……、オーガグリズリー……!」
灰色の巨体に、頭に2本の角を生やした熊、オーガグリズリーだった。
もしかしたらゴブリンの血の匂いに誘われてやって来たのかもしれない……。
ここまで来て……!
私は苦虫を噛み潰したような顔で、オーガグリズリーを睨みつける。
オーガグリズリーは私達を襲おうとするも、洞穴の入口が狭いお陰で、オーガグリズリーの体では中には入れないようだが、それでも口から涎を垂らしながら、顔だけを突っ込ませたり、腕を伸ばし私達を捕まえようとしている。
村の女性達もオーガグリズリーの姿を見て怯えながら顔を真っ青にしていた。
「ミリアさん、戦いましょうっ!」
「分かったわ、カナちゃんっ!」
オーガグリズリーは今のままでは私達を食べられないと判断したのか洞穴の入口を爪で砕いて穴を広げようとしている。
このままではレーテに戻れないし、他のオーガグリズリーまで来てしまったらさらに絶望的な状況となってしまう。
ミリアさんもそれを理解したのか、うなずくと魔力弓を構えた。
「ミリアさん、援護お願いしますっ!!」
私は剣を抜き、盾のグリップから手を離すと、壁にかかっていた松明を左手で抜き取りオーガグリズリーへと走り出す。
私が向かってきた事に気が付いたオーガグリズリーは穴を広げるのを止め、私を待ち構える。
「これでも食らいなさい……っ!」
まずは左手に持っていた松明を投げつける。
相手が獣なら火は怖がるはず……っ!
すると、案の定オーガグリズリーは松明で怯んだ。
「はあ……っ!!」
その隙に盾のグリップを左手で持ち直し、オーガグリズリーの腹部を斬り付ける。
斬りつけられたオーガグリズリーはうなり声を上げながら右腕を上げ、その鋭い爪で私へと襲いかかろうとしてくる……!
「カナちゃん……っ!!」
しかし、私の後方にいたミリアさんが放った魔法の矢がオーガグリズリーの右腕と右脚を射抜く……っ!
「はあぁぁ……っ!!」
腕と脚を射抜かれたオーガグリズリーは悲鳴のような声を上げながらバランスを崩し、私はその隙をついてオーガグリズリーの心臓を目掛けて剣を突き刺した!
オーガグリズリーは断末魔の叫びを上げながら剣を突き刺した私もろとも後ろへと倒れた……。
「はあ……!はあ……っ!た……倒した……!」
「カナちゃん……」
突き刺した剣を引き抜き、立ち上がるとレーテの女性達の歓喜の声とミリアさんの安堵のため息が聞こえてきた。
その後、夜の森を通り抜け、私達は女性達を連れてレーテへと向かったのだった。
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