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ダンジョンからの帰還

「そういえば……どうして私の居場所が分かったんですか?」


 ダンジョンを出て街へ向かう森の中。

 歩きながら、ふと浮かんだ疑問を口にした。


「ああ、それね。カナちゃんには悪いけど……ジェストに“マスター登録”してもらったのよ」


「ジェストさんの……マスター?」


 聞き慣れない言葉に首をかしげる。


『リビングアーマーは、作るだけでは動かせん。使役するには“主人(マスター)登録”が必要だ』


「登録するには、鎧と霊を結びつけている呪印に“持ち主の血”かなにかをつける必要があるのよ」


「血……? でも私、その時いませんでしたよね?怪我もしてませんでしたし……」


「そこはほら……、カナちゃんの恥ずかしい体液で……ね」


 体液……?


「な……っ!?」


 意味に気がついて私の顔がみるみる真っ赤になっていく。


『まさか、あれで登録できるとは思わなかったが……おかげでカナの位置が分かった。まあ、俺はカナの所有物になったわけだがな』


「その後は大蜘蛛を蹴散らしながら来たってわけよ」


「そうだったんですね……。ミリアさん、ジェストさん、本当にありがとうございます」


 私は深々と頭を下げた。

 ……が、恥ずかしいやら助かって嬉しいやらで複雑な気分だ。


「なんなら、今度はカナちゃん自身で恥ずかしい体液をつけてあげる?ジェストきっと喜ぶわよ♡」


「し、しませんよそんなのっ!ジェストさんも困りますよね!?」


『……ノーコメントだ』


「おやおや? 満更でもないんじゃない?」


『ノーコメントだと言っている!』


 そんなやり取りをしながら、私たちはラウルの街へと戻っていった。



◆◆◆



 街へ戻った私たちは冒険者ギルドへ向かい、

 受付のティアさんにアラクネの首を見せた。


「ティアさん、これを倒してきました」


「ひっ……!?」


 ティアさんは青ざめて後ずさる。


「な、何なんですかこれ……?」


「何って、アラクネの首よ。近くの森のダンジョンに巣食っていたの」


『多くの冒険者が、このアラクネや大蜘蛛の餌食になっていた』


「ギ、ギルドマスター呼んできますっ!」


 ティアさんは逃げるように奥へ走っていった。


 しばらくしてグレンさんが現れ、

 私たちはダンジョンで起きたことをすべて説明した。


---


「なるほど……あのダンジョンはそんなに危険だったのか」


「はい、それに恐らくですが、女性冒険者はアラクネによって大蜘蛛を生むための苗床にされていたようです」


「……行方不明者が出ていたのは、そのせいか」


 グレンさんは険しい表情で髭を撫でた。


「あのダンジョン、全部は見てないから……別のアラクネがいる可能性もあるわ」


『中は暗く、普通の者では何も見えん。不用意に入れば死にに行くようなものだ。危険地帯に指定すべきだろう』


「分かった。そうしておこう。他に何かあったか?」


「あっ、宝物を見つけました!」


 私は金の燭台と宝箱いっぱいの金貨・宝石を見せた。


「これは凄い……っ!やったなカナちゃんっ!これだけあればかなりの金額になるぞ……っ!!」


「えへへ……♪」


「それじゃグレン、私たちは換金に行くわね」


「ああ、気をつけて行け」


---


 換金の結果、宝物は 1億エント になった。

 3人で3千万ずつ分け、残りの1千万はギルドへ寄付。

 私とジェストさんのランクはDに上がり、今回の冒険は幕を閉じた。


 その後、銀行に口座を作り、報酬を預けた。


 ダンジョンは「アラクネの洞窟」と名付けられ、危険地帯に指定されたが――莫大な財宝の噂は広まり、挑む者は後を絶たなかった。


 その者たちがどうなったかは……言うまでもない。

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