私がリーダーっ!?
「……で、これからカナちゃん達はどうするんだ?」
ミリアさんに“たっぷり可愛がられた”あと、グレンさんが問いかけてきた。
「あの……どうするとは?」
「パーティも三人になったんだ。できることが増えるだろう?」
なるほど、そういう意味か。
「とりあえずリーダーはカナちゃんでいいんだろ?」
「えっ……?」
いつの間にか私がリーダーにされていた。
「私は問題ないわ」
『俺も異論はない』
「なんで私なんですかっ!?」
「あら?違ったの?私はカナちゃんがリーダーだから入ったのよ?」
『俺もグレンからそう聞いているが』
「わ、私より経験豊富なミリアさんやジェストさんのほうが……」
「イヤよ!リーダーなんて面倒くさいじゃない!」
『俺はこれでも“新人”扱いだからな……』
くぅ……。
こうして多数決という名の暴力で、私がリーダーに決まってしまった。
「まあ、正式にリーダーが決まったところで……いい話がある。最近、近くの森にダンジョンが見つかったらしい」
「ダンジョン……ですか?」
「そうだ。以前オーガグリズリーが出たことがあっただろ?あれは、そのダンジョンが遥か北の地まで繋がっているんじゃないかって噂だ」
オーガグリズリー。
この世界に来て最初に襲われた、あの巨大な獣だ。
「森の奥に洞窟があって、そこが入口らしい。まだ人がほとんど入ってないから、宝が残ってる可能性もある」
「分かりました。行ってみます」
「おう!しっかり準備して行けよ。魔物も出るかもしれんから気をつけろ!」
そう言われ、ギルドを出ようとしたところで――
「おっと、ジェスト。お前に渡すものがあった」
グレンさんに呼び止められた。
『なんだ?』
「お前の大剣だ。預かってたんだよ」
奥から持ってきたのは、長さ1.5メートルほどの両刃の大剣。
『俺の大剣か……。ありがとう、グレン』
ジェストさんは重そうな大剣を、まるで木の枝のように軽々と背負った。
『では、行こうか』
私たちは改めてギルドを後にした。
◆◆◆
初めてのダンジョン。
でも、何を準備すればいいのか分からない。
「あの……ダンジョンに行くのに必要なものってありますか?」
『まずは灯りだな。ランタンがあればいい』
「明かりなら照明魔法でも代用できるわ。ランタンにイルネートを入れてもいいし。あとは水と食料ね。潜る日数によって量が変わるわ。カナちゃん、どのくらい潜るつもり?」
「……もし北の地まで繋がっているなら、どのくらいかかります?」
『普通に歩けば片道三日ほどだな』
「北の地まで行くの?」
「どうせなら行ってみようかなって……」
「そうね……。ダンジョンの構造が分からない以上、往復で八日分くらいは必要かしら」
『俺は水も食料もいらん。この体では飲み食いできんからな』
「では、必要なものを買いに行きましょう!」
街で水、食料、ランタンなどを買い、木のカゴに詰め込む。
「へぇ~、カナちゃん便利なの持ってるのね」
「はい!以前、薬草とホーンラビットの角を集めるのに買いました!では行きましょう!」
意気揚々とカゴを背負おうとした――が。
「むぎぎぎ……っ!!重たくて立てない……っ!!」
想像以上に重かった。
ミリアさんとジェストさんが呆れたように見ている。
『……俺が持とう』
ジェストさんがカゴをひょいと持ち上げる。
本当に重さを感じていないようだ。
『ふむ、この身体は重さを感じないらしい』
「あら便利ね。私もおんぶしてもらおうかしら」
『……お前は昔より太ってそうだから遠慮しておく。カナなら問題なさそうだが』
「まあ!失礼ねっ!カナちゃん、こんなの放っておいて行くわよ!」
ミリアさんは怒りながら私の手を引っ張る。
『俺が行かないと水も食料もないぞ?』
「……いいから来なさい、ジェスト!」
『はいはい』
こうして、私たちは初めてのダンジョンへ向かった。
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