二人目の仲間
冒険者ギルドへ戻ると、周囲の視線が一斉にこちらへ向けられた。
もちろん注目されているのは私ではなく、鎧姿のジェストさんだ。
「ねえ、グレンはいるかしら? ジェストのことで話があると伝えてほしいの」
「は、はい……!」
受付のティアさんはジェストさんを見て驚きつつ、奥へ走っていった。
「ミリア! ジェストのことで話があると聞いたが、何かわかったのか!」
すぐにグレンさんが飛び出してきた。
「ええ。このリビングアーマーがジェストよ」
『久しぶりだな、グレン』
「……は?」
グレンさんは完全に固まった。
◆◆◆
「……なるほどな。そんなことが起きていたのか」
ミリアさんの説明を聞き、グレンさんは腕を組んでうなずいた。
「それで、この鎧は何でできてる?」
『それは俺にも分からん』
「見た感じ、鋼ね。かなり硬いわよ」
グレンさんとミリアさんは椅子に座っていたが、ジェストさんは立ったままだ。
椅子を壊さないようにという配慮らしい。
「ジェスト、これからどうするつもりだ?」
『できることなら、また冒険者に戻りたい』
「お前は死亡扱いだから、新人のFランクからになるが……いいか?」
『構わん。それより……グレン、お前はもう引退したのか?』
「ああ。今はこの街のギルドマスターだ」
『ミリアは?』
「私は今、このカナちゃんとパーティを組んでるわ」
「え、えっと……初めまして、カナです」
『ふむ……なら俺も、そのパーティに入らせてもらおうか』
「えっ……?」
突然の提案に、今度は私が固まった。
「いいんじゃない?今のところ私たち二人だけだし。あ、もしかして私と二人きりでイチャイチャしたかったのかしら?そう言ってくれればよかったのに。いいわよ、手取り足取り腰取りアッチのほうも含めて色~んなことを教えてあ・げ・る♡」
ミリアさんが私の首筋を指でなぞる。
「ひ、ひぃぃぃーーっ!!」
『なんだ?二人はそういう関係だったのか?俺はこの体じゃ何もできんから、見て見ぬふりくらいはしてやるぞ』
「違いますっ!!そんな関係じゃありませんからねっ!!」
「冷たいわねぇ、カナちゃん。初めて会ったとき、わざわざスケベ通りまで来てくれたじゃない……?」
「あれは道に迷っただけですーーっ!!」
「じゃあ、パーティの仲を深めるために、今夜はゆっくり語り合いましょ?大丈夫、お姉さんが優しくしてあげるから。さ、カナちゃんのお部屋に行きましょうか♡」
ミリアさんが私の手を掴んで階段を上り、2階にある間借りしている部屋へと引きずり込もうとしている。
見た目に反して力が強い!
「グレンさん!ジェストさん!助けてくださいーーっ!!」
『グレン、悪いが冒険者登録と、カナのパーティ加入の手続きを頼む』
「ああ、今やる」
私の必死の叫びもむなしく、二人は淡々と書類を進めていた。
――その後、私はミリアさんにたっぷり“可愛がられた”のであった……(泣)
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