ご褒美
訓練から数日後。
冒険者ギルドの受付でティアさんから、アルトさんの伝言を受け取った。
「ホールで待っていてほしい」とのことだが……いつ来るのかな。
とりあえず、ジュースでも飲みながら待つことにした。
ファナさんとは別のホールスタッフにジュースを注文し、席に座って待つ。
しばらくすると、アルトさん、サラさん、セーラさんの三人が姿を見せた。
「カナちゃん、待たせて悪かったね。実はこれを渡そうと思ってさ」
アルトさんが取り出したのは、緩やかな曲線を描いた丸い盾だった。
「アルトさん、これは……?」
「鉄のラウンドシールドだ。見ての通り円形の鉄製の盾でね。訓練を頑張ったご褒美ってわけじゃないけど、カナちゃんに合うと思ってさ。俺たち全員で買ったんだ」
「ありがとうございます!」
受け取ってみると、裏側には腕を通すベルトと握り用のグリップが付いている。
「カナちゃん、武器は片手剣だろ? なら盾を持ったほうがいい。大きい盾は重くて扱いにくいが、これは軽いし動きを邪魔しない。防御範囲は狭いけど、カナちゃんの戦い方ならこっちのほうが合ってる」
私の訓練の様子を見て、ここまで考えてくれたのだと思うと胸が温かくなる。
「ところで、ディンさんは……?」
「ディンは、別件があるからって来られないみたいよ。……というのは建前で、本当はカナちゃんにまた殴られるのが嫌だから逃げたんじゃないかって私は睨んでるわ」
「かな~り効いたみたいだよ、あのパンチ」
「あは……あはは……」
セーラさんとサラさんの言葉に、私は苦笑するしかなかった。
「それと、カナちゃんに必要なのはパーティね」
「そうだね。でも今のカナちゃんについてこれそうな新人はいないよね……」
「中堅やベテランは空きがないだろうしな」
「新人同士のパーティも、もう枠が埋まってるかもね」
確かに、私はずっと一人で訓練していたし、パーティを組むタイミングを逃していた。
「なんなら、ウチでもいいぞ? カナちゃんなら大歓迎さ」
「そうですね。もし見つからなかったら、その時はお願いします」
そんな話をしていると、ギルドの扉が開き、一人のエルフの女性が入ってきた。
「グレンはいるかしら?」
「ミリア……さん……?」
スケベ通りで働いているエルフのミリアさんだった。
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