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風邪ひいた

―カナ―


 翌朝。

 目を覚ますと、体に違和感があった。


 頭が重い。体が熱い。喉も痛い。


「うぅ……」


 完全に風邪を引いていた。

 原因は間違いなく昨日の雨の中での訓練だ。


(休みたいけど……ディンさん、待ってるかもしれないし……)


 迷いながらも、ふらつく体で支度をして部屋を出た。


---


「カナちゃん、おはよう……って、どうしたの!?すごく具合悪そうじゃない!」


 フラフラ歩いていると、ファナさんに見つかった。


「あ、ファナさん……。今日も訓練に……」


「はぁ!?その状態で!?しかも熱あるじゃない!」


 ひんやりした手が額に当てられる。

 その冷たさが気持ちよくて、思わず目を閉じた。


「ディンさんには私から言っておくから、あなたは薬飲んで部屋で寝てなさい! 食事は後で持っていくから!」


「はい……」


 怒られつつも、ありがたかった。

 薬を受け取り、部屋に戻ってベッドに潜り込む。


(薬飲む前に……何か食べたほうがいいよね……でも食欲ない……)


 そんなことを考えていると、ノックの音がした。


「は~い……」


「カナちゃん、入るよ。よしよし、ちゃんとベッドに入ってるね。食事持ってきたよ。パン粥、フレンチトースト風の味付けにしてもらったよ」


「ありがとうございます……」


 いい匂いはするけど、食欲が追いつかない。


「カナちゃん、食べる元気ないでしょ。なら私が食べさせてあげる。はい、あーん♡」


「えっ……恥ずかしいですよ……」


「いいのいいの。風邪のときくらい甘えなさい。それにね、弟や妹が多くて、こういうの慣れてるのよ。はい、あーん♡」


 そこまで言われたら断れない。


「あ……あーん……」


「上手にできたね。熱いからフーフーしてあげるね~」


 ファナさんが優しく冷まして口に運んでくれる。

 温かくて、ほんのり甘くて、体に染みる。


「あ……あーん……」


「ふふ、次が欲しいのね。はい、どうぞ♡」


 完全に楽しんでいる……。

 でも、ありがたかった。


 食べ終えて薬を飲むと、再びベッドに横になった。



◆◆◆



「ヒマ……」


 眠気はない。

 仕方なく、昨日のディンさんの動きを思い出しながらイメージトレーニングを始めた。


(……全然勝てない……)


 何度イメージしても、攻撃は避けられ、防御は破られる。


(むむむ……)


 頭をフル回転させていると、ふと昔の友達の言葉が浮かんだ。


『フェイント入れてシュートしたら決まったのよ!佳奈、私すごいでしょ!』


(フェイント……!)


 これだ。

 フェイントを入れれば、ワンチャンあるかもしれない。


 そう思ってイメージを続けていると、いつの間にか眠っていた。



◆◆◆



「カナちゃん、起きてる?」


 ノックの音で目を覚ます。

 夕日が差し込んでいた。


「ファナ……さん……?」


「起こしちゃった?ごめんね。熱どうかなって。食事も持ってきたよ。食べられそう?」


「はい……大丈夫です……」


「熱は……うん、下がってるね」


 額に手を当てられる。


「お昼にも来たんだけど、ぐっすり寝てたから」


「すみません……」


「いいのいいの。風邪のときは寝るのが一番。それより汗かいたでしょ? 体拭こうか?」


「あ、あの……自分で拭けます……」


「遠慮しないの。ほら、いつも私の胸見てるでしょ? どれくらい大きくなったか確かめてあげ――」


「ひゃあああああああっ!!


「なにこれーっ!カナちゃんペッタンコじゃないっ!しっかり食べないとおっぱい大きくならないよーっ!?」


 ファナさんが悪戯っぽく迫ってくる。

 猫の半獣人らしく動きが素早い。


 だが、そんな事を考えている間にも私の小さな胸はファナさんの手によって散々揉みしだかれていく。


「あ……ふ……ファナさん……んぅ……そろそろ……やめてください……はぁ……」


 ファナさんに胸を揉まれて……段々と変な気分になっちゃう……。


「んん~……?女の子同士なんだしよいではないか、よいではないか~♪」


 私は顔を赤くしながら背中を丸めて何とか逃れようとするもニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべたファナさんは決して逃がしてはくれない。


 その後もファナさんは私の胸を堪能した後、ファナさんに身体の隅々まで拭かれてしまった……。

 胸とか、大事な所に至るまでそれはもう本当に隅々まで拭かれてしまい、恥ずかしさで顔が熱くなる。


(うう……もうお嫁に行けない……)


 その後、夕食を食べ、私は早めに眠りについた。

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