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フルダイブ・テストプレイヤー「勇者に訪れる161の結末」  作者: 虹鳥
仕事、第6週目

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68/69

エンディングリスト No87・No112

帳尻合わせが済んだから今度の2周はいつも通りにする

……そういえば今回の仕事は残り2周で終わりだったな

今週から「後1エンドで終わりです」の報告が無かったけど

普通に思い出せた喜びと共に、ちょっとした寂しさも感じた

とりあえずは金の竪琴を使用するエンドを試してみるか、ひとまず前哨基地で試してみたい

普通にどんな音がするのかも楽しみだしな


まずは家を出て3倍速にする

王城を通り抜けて、草原から獣道へ

一旦ヤスラギ湖に出た後に、ショキの森へ行き森のキノコを2つ収穫する

その後はクロウの方に行かないように引き返して獣道へ

ダイナマイトを取って廃坑を通り抜ける

その後の道を脇に行き、超大海原の港へ

10倍速にしたのちに大きいブリッジの方へ行き箱の中に入って密航

前哨基地にたどり着いてそのまま噴水広場に行って1時の方向へ行きたどり着いた

等倍にして店内に入る


「あ?客か

いらっしゃい、欲しいものがあったらアイテム3つと交換してくれ」

「(来週からよろしくお願いいたします)」


……来週と来々週になると、何度もお世話になるだろう

ヤスラギ湖のリンダさんの時は言わなくて申し訳なかったが、せめてゴメスさんは伝えておきたかった

という事で竪琴と交換する


▼金の竪琴~良い眠りは平和の証、技術者の気まぐれを添えて~を入手しました


……しかしまあ、相変わらず物凄い名前をしているな

メッセージウィンドウで確認してみると、相変わらず小さい

そう思いながらも……どこで使おうか?

多分前哨基地のどこにいたとしても「使用する」したとたんエンディングに入るだろう

だったら、超ナントカの時のように折角だから噴水広場でやってみることにしよう

ゴメスさんが「寝てしまう」って言っているけど、慣らした瞬間俺も含めて寝てしまうだろう


……

……


倍速もせずにそのまま噴水広場にたどり着く

歩いている最中に「使用する」を使わずに竪琴の弦に何となく触れてみたけど

ちょっと、しなるけど音は鳴らない

誤作動を防ぐためだろう

……もし弦が硬かったらピアノ線を使ったミステリーのように指がスパッて斬れていたんだろうか、いや想像しないでおこう、ゲームだから大丈夫としても時折紙とかで指を切ってしまうからゾッと想像してしまう

そう考えながら噴水広場にたどり着いて金の竪琴に「使用する」をしてみる

すると……身体が勝手に動く

やっぱり鳴らすんだろうか?


けど、その場で鳴らさずに勝手に走り出した


え?ちょ、なんだ!?てっきりその場でポロンポロン鳴らして俺もみんなも寝てエンディングに入るもんだと思ったけど……てか、どこに行くんだ!?


って思っているとここは、9時方向の港?

そこで腕が今度は動いてひと鳴らしをする、するとオルゴールみたいな音が聞こえる

このような音なのか……結構心地がいい、もしかするとエンドによっては違う音が流れるかもしれないけど

音が聞こえた瞬間、じわっと目の奥から眠気が来る

けれど周囲にいる人物はどんどんと倒れていく

まるで糸の切れた操り人形のようにパタリパタリと倒れていく

明らかに眠りについた雰囲気だけど、ざわざわしていく

これって、街中全箇所回るのか?

まるで眠気を堪えるようにしてまたも足が勝手に動いて行く


……


その後は、10時の方向に行き転職相談所付近で鳴らし、11時の方向に行き薬屋とカジノ付近で鳴らし、1時付近の店……店内から血相を変えたゴメスさんが殴り掛かるように飛び出してきたけど、ギリギリのところで眠った、普通に迫力があって怖かった……

その後は2時へ行き冒険者ギルド付近で鳴らし……鳴らしてていく度に自分の睡魔も増してきた

身体が勝手に動いているから楽ではあるけど、普段の俺だったら寝てしまいそうだ

……強制労働施設の時は本当に動けたな、アッチは自主的になるんだけど

12時の方向の魔王城前も鳴らして眠らした後、フラフラになりながらも噴水広場に移動して

最期には大きく手を振りかぶって思いっきり鳴らした


安らかな音のはずなのに大きな音が響き渡る

それと同時にものすごい睡魔が襲ってきて倒れてしまう

ねむりな感じに意識が遠のいていく中、回りからも……ばたり、ばたりと倒れていく音がする

何を思ってこんなことをしたんだ……俺は

丁寧に街中に聞かせて誰も眠らせるなんて……

そのまま寝るように意識が遠のき、エンディングに入っていた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

No87「永い眠りについた日」


カイザンは好奇心旺盛!それも悪い意味で!

店の人が言っていた「絶対に使うなな」それを聞いて鳴らしたくなった!

1回鳴らすとどんどん寝るから、いっぱい慣らして自分も寝ちゃった!

そして前哨基地のみんなが寝て超手薄に

寝ている間に隙ありと魔王軍が攻めてきて滅亡しちゃったよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


好奇心にしてはたちが悪いってレベルじゃねえぞ!

もはや愉快犯の考えだよ全員寝るまで鳴らすのは!

もしくは魔王側のスパイとかそう言ったレベルだよ!


「はぁ……ハァ……」


まあ、こういった普通だったらできないことができる、それがフルダイブゲームで良かったけど

間違っても本当に現実で「やるなよ」って言われたことは本当にやらないことにしよう

取り返しのつかないことになっても、ロードもできないしコンティニューもできないしな

物語の主人公は「立ち入り禁止は必ず入る」けど、俺は決してしない

…………なんか当たり前の事を今更思っているけど、こんなにも世界が滅亡するような大規模なエンディングを迎えたからなんだろうか?

気を取り直して今週最後のエンドに行こう


家を出て三倍速にする

王城をスルーしたら脇の獣道へ行きダイナマイトを入手

壁を壊して廃坑を通り抜けたら脇の道へ

超大海原の港にて10倍速にして大きいブリッジの箱に

密航し反対側にたどり着いたら噴水広場を通り10時の方向へ

転職相談所で等倍にして


「勇者がここに何の用なんだ?勇者って職業ならここに来るメリットはないぞ?」

「いらっしゃいませ!

どのような職業に転職希望ですか!?」


ショウさんを通り抜けてヒュウさんの所へ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勇者を辞めて転職しますか?

「はい」               「いいえ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はい」を選ぶ


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何に転職しますか

「格闘家」「魔法使い」「大剣使い」「暗殺者」「盾使い」

「弓使い」「僧侶」「猛獣使い」「死霊使い」「商人」

「槍使い」「吟遊詩人」「精霊使い」「竜使い」「農民」

「転職相談所」「冒険者ギルド」「薬屋」「演劇団」「ディーラー」

「思い直して勇者を続ける」

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「吟遊詩人」か、これは以前にやった僧侶に近いような職業になるけど

戦いの最中に語りを初めて味方達の士気を上げる……要するにバッファーのような能力になる

こっちの僧侶は回復オンリーだとしたらこっちはバッファーオンリーか?

演芸的な職業、踊り子や道化師や演者

現代系のRPGだったらアイドルとか書かれる場合もある

キャラクターとして書かれる場合、自由奔放なキャラで書かれていることが多いけど賑やかしとしてもいいし、今までの旅をあらすじの様に語ったりすれば感動的にな雰囲気を出すことも可能だろう

本来吟遊詩人は楽器を片手に詩や歌を即席で作り、各地を旅しながら世界の事情や英雄譚などの出来事を伝えていくモノ

今では、いろんな解釈をされているけど……

そうなると、攻撃とかはどうなるんだろうか?ゲームによっては音で攻撃することもあるからそうなるのだろうか?


それにしても詩か……小説とは別の作り方…………って聞いたしそれもそれで難しいと所もあったりするけど専門知識が無くても行けるのだろうか?

それに、基本的に楽器を演奏しながら歌ったり詠むからこそ「喋る」必要性がある

ディアス王と筆談で対応とかしているし、それで行けたらいいけど何かあったらチャットにピコン!って来るだろう


色々と気になりながら「吟遊詩人」を選択する

世界が消滅していき、再構築していく

場所は森……ではない?

さっきまで通り抜けた噴水広場にいた

……いや絶妙に違っている雰囲気がする、実際の噴水広場だと12時方向を中心に道が広がっていたけど、こっちは全方向に道が広がっている

俺のいる位置ってあの売れない旅芸人がいた位置では?

自分の姿を見てみると……なんだかちょっと派手な姿をしていて、頭には赤い宝石の装飾が付いたベレー帽のようなのを被っており注目を集めそうだ

服装の方は黄色いローブのような物を付けており、これもまた少しカラフルな宝石は着いている

動くのは難しそうなだが、多分街中であったら戦闘は起きないだろう


(んで……やっぱり楽器か)


てには弦楽器……下側が平べったい形……多分シタールだろう、それを持っていた

両手で持つから独り言筆談は出来ない

そういえば、楽器ってほとんど演奏したことが無いが知識経験なしでも大丈夫だろうか?

回りを見てみると人々が歩いていて、普通に通り過ぎていく

とりあえず、試しに1回演奏してみるか

そう思って、コードとか一切分からないから適当に右手で弦を抑えて、左手ではじいてみると……


(うお!?鳴った!?)


数回弾いてみると、いい感じのメロディーが聞こえる

思った以上に弾けている訳ではなく、楽器の方が自動的に音程やらを合わせてくれている感じだ

そうやって鳴らしていくと、目の前で興味なさそうに歩いていた人々がこちらを見始めた

語ればいいのか?でも、喋れないからどうしたら?


(そういえば、シタールって座って弾く楽器だったな……多分)


座り込んだ後、楽器は弦を持つ必要性が無いから右腕で押さえて、スケッチブックを地面に置きそのまま抑えている右手でペンを持つ

これなら演奏しながら書けるだろう

ひとまず、発音した判定になるか確認するために何か書いてみるか……


「(道行く人らへ、これから語るるは……)」


って書くと集まって来た、これは見て聞いている!

筆談でも問題ない!

……ってなると、次の問題が出てきた

何を吟遊すればいいんだろうか?

英雄譚って思っても、このゲームで俺は90回以上勇者としての行動を失敗しているわけだし

他の人のって言われても思い当たる節はない

だからと言っても、既存作品の内容を書いたらただの盗作になるし

……ここは、何がとは言わないけど本業を実力をちょっと発揮してみよう

詩だから全く別の作り方にはなるけど、練習にもなるしな

全力ででっち上げよう


「(かつてこの地を救おうとした、元勇者の物語)」


俺自身が経験してきたこと、その内容を1つの物語に

良い所だけを抜粋していこう


「(彼は元々、誰も知らない村に住んでいた独りの男性であった)」


書いていると、それを見ようと周囲から人々が集まってくる

俺の書いているスケッチブックを覗き込むようにしていた


「(ディアス王が願う、魔王により娘がさらわれて助けて欲しいという願い

その気持ちは国民たちにも伝わり、涙で溢れそうだった)」


それからは、楽器を弾きながら今までの冒険を思い出すように書き出していく


「(王のもとに行った勇者は、話を聞き

剣を受け取り旅に出る

道すがら、魔物の脅威に襲われながらも薙ぎ払いながら行く

森の中では、怪しげな民族やイタズラ好きの妖精

親睦を深めていき進んで行く)」


とは言っても、実際はエンディングの為に1回訪れただけなんだけどね


「(湖での謎を解き、その宝を手に店に持って行く

店員は求めていた宝を手に先に進むための大切な物を渡した

砂漠の道中、砂風に乗り苦しみの声が聞こえる

そこは非道に労働を強制している施設だった

魔王討伐に忙しい彼は人助けの為に飛び込む

中の苦しみに彼は悲しみ、けれども食いしばり

鞭を振るう、人を道具としか見ない外道な者共を切り捨てていく

苦しんでいた人々は活力を見出し、彼と協力して反撃ののろしを上げていく

そうして一晩の間戦い続けて、彼は勝利をした

人々は最も世界で安心できる家族のもとに帰って行ったのだった)」


書き続けていくと、もうすれ違う人よりも見ている人の方が多くなってきた

けど、そろそろ終わりにしていく

体勢の限界もあったけど、流石にドラゴン討伐か氷の武人討伐となるとどっちかしか書けない

山場を連続で書いてしまうと感動の安売りになってしまってチープな物語に見えてしまう……

だったら1つの戦いを書いたならそれをクライマックスにするのもいいだろう


「(しかし、彼は限界を迎えた

砂漠の昼の灼熱に夜の極寒、一晩中の戦い

環境だけでも体を蝕むレベルであったのに、人々を守りながらの戦い

そして、1対多数の多勢に無勢

そんな戦いは魔王よりも過酷だったかもしてない

誰もいなくなった施設内で彼は静かに倒れる

店の人が渡したもの、それは紙とペンであった

最期の力を使って、書き綴る


それは託される物語だ


彼自身も無念であったんだろう

施設の人達を救えても、世界を王様の娘も救えなかった

そんな悲しみの内に、亡くなった後のメッセージに残していった


もし、このメッセージを見た人がいたら自分の代わりに救って欲しい

世界を、王様の娘を、人々を、俺達の救えなかった

全てを


そして、俺はそのメッセージを受け取った者だ

けど、俺はただの吟遊詩人

戦うことができない、俺からはこの話を伝えることしかできないんだ

………だから


この話を見ている人達へ、みんなが魔王を倒して欲しい

これを見ている戦える人、立ち上がって欲しい)」


そういって手に持っている楽器を1回鳴らした後に

スケッチブックをその場に置いたまま礼をした

すると周囲の人達は拍手をしている

もしかすると何を書いても話しても拍手が送られるのかもしれないけど

それでも気分がいい気がする

よくよく見たら袋のような物を足元に投げられるけど、中にはお金が入っている

いわゆるおひねりってことか

そう思っていると、エンディングに入っていく

少し、心地いい感覚がしたな……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

No112「野次ニモマケズ殺意ニモマケズ、石ニモ腐ッタ卵ニモマケズ」


勇者を辞めて吟遊詩人になったカイザン

人々に様々な事を伝えるために吟じて伝えていく

しかし、評価はよろしくなく野次や罵倒

さらには石や卵も投げられていく、けど諦めない

諦めなかった結果……ナイフで刺されて殉職しちゃったよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんでこんなに真逆な内容になってんだよ!

俺が筆談で語ったら絶賛されただろ!拍手されただろ!おひねり貰っただろ!!

何だこの胸糞悪いエンドは!!!

評価がよろしくないのはいいとしても、ここまで嫌われる事はないだろ!!!

刺されるとか、普通に現実でも炎上しまくっても実際に乗り込んでくるまでなのは極々稀すぎるんだぞ!


「はぁ…………ハァ…………ぜぇ」


1回落ち着こう、深呼吸だ

吸って吐く、そう思っていると「ピコン」となる

今回の仕事も終わりの時間らしい


研究員板橋>本日の仕事はここまでです

お疲れ様でした!

カイザン>6日目96ED到達

7日目の時にやる事リスト

・前哨基地で売ってあるアイテムを試していく

・超ウルトラ(略)料理の使い方(店を出たら視界の真上に時間制限が見える)(名前が長くてウィンドウをはみ出す)

→全部で9か所+1の内1つ試した

→2つは魔王城

→6つは戻った所

→→2つはメチアツ火山とメチサム氷山か?

→+1は消費期限切れ(多分死ぬ)

・金の竪琴の使い場所(名前がギュとして小さくて読みにくい)

→全部で12か所の内1つ試した

→2つは魔王城

→1本は船

→1本は山の間の神殿?

→7本は戻った場所

・絶対零度の証と灼熱地獄の証を使う場所

→魔王城の上の方…最奥地?を指していてどっちも魔王か?

・自己啓発本

→ラストエンドにするために最後に回す

・店の物でエンドを迎えた後に、10時の方向にある転職相談所でエンドする

・エンドに到達しそうな特殊な人を見かけたら殺害してみる

※魔王城は本の以外の前哨基地で出来ることをほぼ済ませてからにする

メモ※噴水広場から見て9時に船着き場、12時に魔王城、10時に転職相談所、11時に薬屋とカジノ、1時にお店、2時に冒険者ギルドがある

カイザン>メモ終わりました、ではログアウトします

研究員風林>お疲れ様です


そう思ってログアウトをする

来週は、前哨基地のアイテムもいろんな場所に持って行くのと転職相談所を交互にする日になる

そう言えば、転職は後8つだから来週で終わる

でもアイテムの方が結構な量になりそうだな……

そっちは再来週には終わりそうだけど


……

……


目を覚まして、健康診断と昼食をいただく

久しぶりの板橋さんだったからか、ちょっと話に花を咲かせながら過ごしていた

以前の事件以降、完全に音黒ヤイミルの事が推しになったらしくて

全力で応援をしているらしい

本当は俺の妹だけど、聞いていてうれしかった

そして、カウンセリングの時


「(富宝先生)」

「どうしたかの?」

「(先週のカウンセリングの時、殺意や憎しみが多めに出たと聞きましたが

本日の俺の調子はどうですか?)」

「ああ、昨日よりかは問題はないぞ」

「(それなら良かったです、このまま行きましたら元に戻りそうですね)」

「その通りじゃ、だからいつも以上に快適な日常を過ごすといいぞ」

「(はい、ありがとうございます)」


精神面的にも、元通りになったらしい

傷ついた心は戻らないけど、せめてカサブタになっていけばいいな

本日も日給を頂いて帰路に就く

そういえば、ずっと妹の側に着いていたけど

そろそろ大丈夫だろう

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