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オタク、線をまたぐ  作者: 物理試す


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はざまの戦地-1

俺たちが話し合いを進めている間に、先行部隊が国境付近を中心にドラゴンがいないか調査をしてくれている。


しかし、めぼしい結果は得られていない。

本当に痕跡がないのだ。


もう探し初めて、一か月は経っているか?皆の集中力も切れている。

ドラゴンは黒点が多い場所にいると思われる。

ニッホンと王国の国境は、ここ最近黒点が増加している。世界的に見ても、非常に多い。


間違いなくここにいるはずなんだ。


ニッホンに間借りした執務室で悩む。

何か、勘違いをしていないか?もっと根本から考えなければだめだ。


ドラゴンは魔獣たちの魔素を吸収するために、魔獣を襲う。ドラゴンは魔獣を探している。


ダンジョン・・・


魔獣はダンジョンより生まれ、ダンジョンに集まる。

ここら辺にダンジョンはないか!?


地図を取り出し、周辺地域のダンジョンや採掘地を調べていく。

しかし8割ぐらいの場所は調査員が訪れていた。

残りの場所へも、調査に行くように指示を出す。


これで見つかるはずだ。

確実に見つかるはずだ・・・


本当に?


ドラゴンは魔素を吸収する。これはほぼ間違いない。

でも魔素は魔獣からしか吸収しないのか?


視界にいつも使っている魔石が写る。

魔石から魔素を吸収しても、何もおかしくはない。そこまで考えて、ふと頭にとある光景が浮かぶ。


ノイマンと戦った、帝国と王国のはざまにある魔石採掘場。

あの場所はまったく手つかずで、崩れてつぶれてしまった。


今は誰も手を付けず放置されていると聞く。

思いついてから、思い続けることを止められない。どうしても気になる。


ドラゴンはどこにいるんだ?額に脂汗がにじむ。

行ってみるか?


俺だけならば、高速で移動できる。あの採掘場へ行って、様子を確認する。

それから・・・

それでどうする気だったんだ!無策で突っ込んでどうこう出来る相手じゃないぞ。


落ち着け、考えろ!


世界中のどこかにいるドラゴンを見つけ、そして魔法陣へ誘い込むように誘因する方法を・・・


夜になり、夜風に当たりたくなった。一日中考えて、ゆであがっていた。


「はぁ、また部屋にこもっていたんですか?いつになっても変わりませんね。タロウは・・・」


目の前から、調査に出ていたアレクが帰ってきた。


「楽をしている場合じゃないからな。お前たちだって走り回っているんだから、猶更だろ。」


「良いですか。物には限度というものがあります。あなたはやりすぎです。私たちだって、夜には帰ってきてるのですから、あなたも夜は休むべきです。」


「そういってもらえると助かるよ。休めるうちに休まなきゃだめだよな。」


アレクに言われた通り、宿舎に戻って休む。それでも頭は冴えたままだった。


次の日

連日の調査で、疲労がたまっていると思ったから、調査隊には休暇を与えた。


俺はただ街中を歩く。

なにかが思いついたわけじゃない。

なんて言ったって、この場所から世界のどこかにいるドラゴンを探し当てなければならない。

そんな方法あるのだろうか?


何かヒントはないかと、以前使わせてもらったニッホンの資料室を訪れる。


資料室は閑散としており、以前のような忙しさはない。

以前は見たことがない若い女性の研究員が、一人作業をしていた。


「お尋ねしたい事がある。ここにはキサイという方がいたと思うが今はどちらに?」


「キサイ様はご隠居されました。」

その女性は坦々と話す。


「いんきょ・・・そうでしたか。」

おかしな事ではない。

数年前に会った時ですらいい年だったのだ。

急な引退報告に一瞬、思考が止まる。


「ホッホッホ、隙を見せてはいけませんな。魔王様ともあろうお方が。」

いつの間にか真後ろに立っている老人がいた。


「うぉ!」

あまりに突然の事に大げさな反応になってしまう。


「相手を認識してからの反応もよくありませんな。」


「驚きもしますよ。元ニッホン暗部の総大将ともなれば」


「ほぅ、ようやくそこまで調べる事ができましたか。貴方様の国も大変成長しているようですな。」


自分の国を持って数年後、当然のように他国の内情を知るため調査を重ねていた

ニッホンに対する調査では伝説的活動をした暗部がいた事が判明した。


その人こそキサイ。

幼い天守と刀幻を陰ながら支え続けたのだ。


この人の本職は研究ではなく、情報捜索。

研究は元ある力の応用だ。


「居るなら、普通に出てきて下さいよ。貴方を見つけるのは至難の技なのですから。」


「魔王様ともあろうお方に、高く評価して頂けるのは光栄の極みですな。して本日は何用ですかな?」


「ふむ、少し、聞きたいことがあってね。」


ドラゴンを見つけられていない事。どうにか見つける方法はないか調査している事を伝えた。


「ドラゴンを見つける方法ですか・・・残念ながら、知りえませんな。ただ、ドラゴンは魔素に興味があるというのは、あなたも知っておろう。」


「ええ、嫌というほどデータを集めることが出来ました。」


「ならば、おびき寄せればよろしいのでは?」


おびき寄せる?


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