ユッキ
そして、こちらの屋上でも決着がつきつつあった。
「やっぱり、アンタ。タイムトラベラーやんな?」
息も絶え絶えになりつつそう吐き捨てるアーニャ。
「さぁて、何のことかしら?」
こちらも息も絶え絶えになりつつ答える未来。
どちらも致命的とは言わないまでも至るところに傷を負っている。
「惚けても無駄やで?あの不自然な避け方、まるで予め射線が分かってるかのような。不自然すぎるやろ、アンタ一体何回やり直したんや?」
そう、これまで未来はまるでそこに来ることが分かってるかの如く、射線を避け、斬撃を掻い潜り、打撃をいなしてきた。
まるで、未来が分かっているかのように。
「そうね、数十回はやり直したかしらね。正直言ってここまでコレを浪費することになるとは思ってもいなかったわ」
彼女は右手につけたブレスレットをトントンと叩きながら答えた。
「それがそうなんか?なんやちゃっちいな」
ケタケタと笑いながらもリザベラ目が笑っておらず、右手のブレスレットに狙いを定めているのを未来は感じ取っていた。
しばしの沈黙の後、動き出したのはやはり、リザベラだった。
やはり狙いは右手のブレスレット。わかってはいた。だが、リザベラが早すぎた。
右手をガッツリと捕まれる。
仕方がないと、未来はブレスレットを起動させる。
「……!?(発動しない!?)」
ニヤリと笑うリザベラ。
次の瞬間腰に帯刀していたサバイバルナイフを振り下ろす。
真っ暗な闇夜に真っ赤な鮮血と右手が宙を舞った。




