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ユッキ
時間は数時間前まで遡る。
時刻は21時を少し回った頃。
とあるマンションの屋上で向かい合う二人の影が月夜に映し出される。
「また、アンタかい?」
金髪の女性がため息混じりに吐き捨てる。
「ええ、何度だって邪魔するわ」
その返答に対して黒髪の女性は凛々しく答える。
「毎回付き合うこっちの身にもなって欲しいもんやな…。まぁ、今回で最後やけど」
そろそろタイムリミットやしなぁ。とボソリと呟く。
彼女、リザベラ・ポール・アーニャには時間が残されてなかった。
「ええ、最後になるでしょうね。代わりに名前のわからない死体が一つ出来上がるでしょうけど」
彼女、新導未来も一歩も退かない。
「あっはっは。アンタおもろい冗談言いまんな。…もっとも、確かに死体は出来上がるやろうけどな。アンタの死体がな」
静かに対峙していた二人だが、月が雲に隠れ辺りが暗闇に包まれた瞬間、どちらともなく動き出した。




