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スキル【リマインダー】進化して最高の相棒になる ~ ベテラン低ランク冒険者の成り上がり英雄譚 ~  作者: さぶもやし


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01-05.失敗と反省


 苦労は大金積んでも手にしろと、師匠がよく言っていた。



【危険Lv.2】【危険Lv.2】【危険Lv.2】


 このスキルは本当に便利だ。普通に旅をしているだけでも苦労の方から舞い込んできてくれる。



 つまりお宝ザクザク♪ 大金の方からやってくる♪


 強い魔物を倒せば人は強くなる。魔物を売れば金になる。


 旅に金は必要不可欠だ。もちろん力も。その二つが一挙に手に入る。なんてお得なスキルなのだろう。スキル様々だ♪




----------------------




 ベランはこの頃すっかり有頂天になっていた。


 真面目な好青年はどこへやら。


 その天狗の鼻っ柱はすぐに折られることになる。




----------------------




「きゃぁぁぁ~~~~~~!!!」


 スキルの導きに従って駆け続けると、盗賊に襲われる馬車を一台発見した。


 こんなことは初めてだ。旅を始めてからは魔物としか戦ってこなかった。今の俺は人を相手に戦えるのだろうか。


 とはいえ【危険Lv.2】だ。


 スキルは、難事ではあっても命の危険の無い相手だと指し示している。


 盗賊の集団を相手に命の危険が無いだなんて驚きだ。


 見た目ほど強いわけではないのだろうか。


 とにかく突っ込もう! あの人たちを助けなければ!!



「待て! お前たち!!」


「なんだおめぇは!?」


 如何にもな風貌の盗賊が振り向いた。



「その人たちから手を放せ!!」


「うるせぇなぁ!! 冒険者風情が英雄気取りかよ!! 野郎ども!! やっちまえ!!」


「「「「「「おう!!」」」」」」


 敵の数は七人。これでもまだ危険度は上がっていない。真正面から俺一人で倒しきれる相手で間違いないらしい。


 それでも怪我は避けられない筈だ。用心して戦おう。




----------------------




「んだこいつ。てんで弱えじゃねえか」


 なん……で……。



「隊長! 如何致しますか!」


「馬鹿野郎!! 今はお頭と呼べつったろうが!!」


「も、もうしわけございません!!」


 え……?



「罪人を連行しろ! この馬鹿もだ!」


「「ハハッ!!」」


 えぇ~……。




----------------------




「すみませんでした……」


 ここは領境。関所にある衛兵たちの詰め所だ。



「あんちゃんよぉ。自分の実力もわからず突っ込むのは感心しねえなぁ」


「はい……仰るとおりです……」


「おいおい。どんな無謀な若造かと思ったら二十五だと? それもDランク? 臭う。臭うねぇ。経歴と実力が釣り合わねえ。何より評価に相応しい嗅覚がねえ。Dランクつったら相応の経験を積んでるもんさ。自分より強い相手に真正面から突っ込む馬鹿はいねえ。かといって若えわけでもねえ。スキルを手に入れたばかりの若造なら話もわからぁな。天狗になってお山の大将気取りで無茶もするだろうさ。けど十年付き合ってりゃ誰だって自分のスキルや実力は理解するもんだ。そうでなきゃとっくにおっちんでるからな」


「実は……」


 かくかくしかじか。



「スキルの進化か。どうりでなぁ。しかしそれでも腑に落ちねえ。ギルドはなんだってお前さんなんかをDランクに認定したんだ?」


「探知系のスキルで……ゴブリンを効率良く……」


「にしたって迂闊すぎんだろ」


「すみません……」


「お前がじゃねえ。お前もだけど、ギルドがだ」


「それは……」


「まあいいさ。こっちも誤解を与えるような格好してたからな。一般人同然のあんちゃんに見られちまったのも俺等の落ち度さ。だから今回だけは見逃してやる。運が良かったな、あんちゃん。次は気をつけろよ」


「あ、ありがとうございます……」


「ほら行け。ああ。それから。言うまでもねえが見たことは忘れろよ。言いふらしたら領主様を敵に回すぞ。お前の情報は控えてある。ギルドも味方なんざしてくれねえからな」


「はい! ご迷惑をお掛けしました!!」


「おう。頑張れよ。あんちゃん」


 人の良い? 隊長さんに見送られ、関所を後にした。




----------------------




 結局あれはなんだったのだろう。たぶん隊長さんは関所の衛兵隊長というわけではないのだろう。


 あの場は一時的に間借りしている様子だった。わざわざ盗賊の格好をしていたのは、隣領に逃げ込んだ罪人を追うためだったのだろうか。詳しくは知らないが、領境を越えて罪人を追うには複雑な手続きがいるとかなんとか。その辺すっ飛ばして強引に捕縛するための作戦だったのだろうか。



 いけないけない。詮索は無しだ。折角許してもらえたのだから、早急に立ち去ろう。


 何にせよ、今回の一件は勉強になった。相手に殺意がなければ【危険Lv.3(命の危険を伴う)】の通知は届かない。


 捕縛されて牢に入れられてしまうこともあるだろう。そもそも三十分以内に命を落とす時にしか通知は鳴らないのだ。


 スキルが進化してから調子に乗りすぎていた。全部隊長さんの言う通りだ。Dランクに見合った実力を身に着けなければ、期待してくれたギルド長たちにも迷惑を掛けてしまう。



 実力とは何も戦って勝つ力だけを指すものじゃない。生き残るために実行出来る全ての力を指す言葉だ。


 なんて昔師匠が言っていた。無謀と勇気を履き違えるなとも。あとは初心忘れべからずとか。


 師匠はしょっちゅう含蓄のある言葉を口にした。当時は何をカッコつけてなんて思っていたものだけど、今にしてみればどれも大切な教えだったのだ。



 反省しよう。そして精進しよう。


 悪いのはスキルではなく使い方だ。もっと研究を重ねて力を磨こう。


 旅を続けながら魔物を狩るのではなく、またどこかに拠点を置いて、安定した狩りを続けるのも良いかもしれない。


 聞けばダンジョンなるものもあるそうだ。そこでは階層毎に魔物の力が均一になっているそうだ。ダンジョンの近くにあるギルドでは、毎日のようにパーティーメンバーの募集が行われているらしい。


 一度パーティーを組んでみるのも良いかもしれない。ダンジョン探索もきっと良い経験になるだろう。沢山魔物を狩って強くなろう。それからまた旅を再開したって構わない。



 うん。決めた。次の行き先を。


 どこかのパーティーに入れてもらおう。索敵も探知も出来るんだから、きっとどこかしら仲間に加えてくれるだろう。


 それでダンジョン攻略を進めよう。効率良く魔物を狩って、経験を積んでいこう。


 そうと決まれば情報収集だ♪



----------------------

ダンジョン  |ダンジョン:10,000m以内

ダンジョン情報|ダンジョン情報:10,000m以内

----------------------


【ダンジョン】【ダンジョン】【ダンジョン】

【ダンジョン情報】【ダンジョン情報】【ダンジョン情報】


 早速通知が鳴ったぞ!?


 近いな! よし! もっと範囲を狭めていこう! 次は距離も指定してっと♪



【ダンジョン:北】【ダンジョン:北】【ダンジョン:北】


 進行方向だ! こっからすぐそこだ♪


 よし! 出発だ!!

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