01-03.危機感知
【危機Lv.1】【危機Lv.1】【危機Lv.1】
頭の中にアラームが鳴り響く。
軽度の危険が近づいている。これから三十分後に訪れる。
【危機Lv.1】【危機Lv.1】【危機Lv.1】
もう一度鳴った。つまり危険は移動中であり、同じ進行方向を向いているのだろう。三十分の境界を行ったり来たりしているからアラートが鳴り続けているのだ。
試しに脇道に逸れるとアラートが鳴り止んだ。
便利だがもう少しわかりやすくしたいな。
何か良い方法はないものだろうか。
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起床 |日の出
出発 |06:00
昼食 |12:00
帰還 |16:00
危機Lv.1|軽度の危険:30分前
〃 | 〃 :15分前
〃 | 〃 :10秒前
危機Lv.2|程々の危険:30分前
〃 | 〃 :15分前
〃 | 〃 :10秒前
危機Lv.3|重度の危険:30分前
〃 | 〃 :15分前
〃 | 〃 :10秒前
ミリー |ミリー来訪
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設定は昨晩のままだ。あれこれ弄ってはみたものの、結局ピンとこなくて戻してしまった。
やはりこうして実地検証を行いながら調整していくのが良さそうだ。
しかしどうしたものだろうか。試しにゴブリン専用の通知設定を追加すべきだろうか。
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ゴブリン |ゴブリン接近
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試しにこれで様子を見てみよう。時間指定を敢えて曖昧にしてみよう。接近がどの程度から通知されるのか。その結果次第で細かく設定を行うか考えよう。
……。
…………。
………………。
ふむふむ。
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ゴブリン |ゴブリン接近
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この設定の場合。
・距離にして10m程度
・遭遇までの時間は無関係
・数による通知の変化なし
・ゴブリン側の敵意は無関係
こんなところだろうか。
微妙だな。10mなら普通に気付くぞ。
次は設定を変えてみよう。
かといって距離を指定してしまうと、丁度その距離になった時にしか通知が届かない。
『以内』と指定すれば、延々と通知が鳴り続けてしまう。
出来ることなら方角も知りたい。上手く使えば効率良く魔物を狩ることも出来る筈だ。探知系スキル同然の働きが出来るなら、どこのパーティーでも引っ張りだこだ。
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リスク:低|難なく:認識外の魔物の接近:100m以内
リスク:中|命の危機なし: 〃 :100m以内
リスク:高|命の危機あり: 〃 :100m以内
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これでどうだろうか。
【リスク:低】【リスク:低】【リスク:低】
【リスク:中】【リスク:中】【リスク:中】
うるさい……。
そうか。これだと条件が被るのか。
う~ん……。
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リスク:低|難なく:認識外の魔物の接近:100m以内
リスク:中|難あり:命の危険なし:〃 :100m以内
リスク:高|命の危機あり: 〃 :100m以内
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次はこれでいってみよう。
……。
…………。
………………。
よし。良い感じだ。
あとはこれを……。
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敵:弱:東|無難:認識外の魔物の接近:東:100m以内
〃:〃:西| 〃: 〃 :西: 〃
〃:〃:南| 〃: 〃 :南: 〃
〃:〃:北| 〃: 〃 :北: 〃
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よしよしよし。
早速試してみよう。
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「ベランさん!? これは!?」
ゴブリンの右耳がざっと百。討伐証明部位だ。
「今朝お伝えした通りです。スキルが進化しまして」
いつもの受付嬢に声を抑えて伝える。
「しょ、少々お待ちを!!」
いつもより大きな声が返ってきた。
【背後:接触】
「んだぁ? なぁ~にやらかしたんだぁ?」
飲んだくれが近づいてきた。
「おっとっと……?」
肩でも叩かれそうになったのだろう。思わず避けてしまった。
「なぁ~んだおめぇ~。後ろに目でも付いてんのか~♪」
気に入らなかったようだ。
「おい。やめろって。飲みすぎだ。わりぃな、ベラン」
数少ない良識人の一人が酔っ払いを連れ戻そうとする。
「放せ!」
それが益々酔っ払いの癪に触ったようだ。
「Fランク風情が調子に乗ってんじゃねえぞ!!」
怒りによって酔いが醒めたのだろうか。
彼は【ゴウワン】のダストンたち程ではないが、それでもCランクの冒険者だ。Fランクのこちらより三つも上だ。
真正面からやりあえば間違いなく殺されるだろう。Cランクともなれば、ベア系の魔物だって難なく倒せるのだ。たとえ武器が無くたって、Fランク程度に負ける筈もない。
彼は元々この地のエースを気取っていたのだが、ダストンたちが来てからその立場も無くなり、鬱憤を溜めていたのだろう。
「おいよせって!」
「うるせぇ!!」
彼を止めようとしてくれたDランク冒険者があっさりと吹き飛ばされて気絶した。
こんな酔っぱらいでも実力は確かだ。
「なんだその顔は!!」
なんだも何も、アラートが鳴っていない。この男は脅威じゃない。なんらかの理由でこちらには危害を加えられない。
「てめぇ! なんとか言いやがれ!!」
男が腕を振り上げた。
「何事だ!!!」
ギルドの奥から筋骨隆々の大男が現れた。あのダストンですら及ばぬ程の存在感だ。
それもその筈。彼はここのギルド長にして、元Aランク冒険者だ。この場の全員が纏めて挑んだって傷一つ付けられやしないだろう。それだけAランクとは別格の存在だ。今朝商隊の護衛任務に出たダストンたちがこの場にいれば、また話は違ってくるかもしれないけれど。
「ちっ!」
酔っ払いは一目散に逃げ出した。捨て台詞すら無しだ。
「おい。奴を追え。そっちも介抱してやれ」
大男が指示を下すと、すぐに周囲の者たちが動き出した。
「ベラン! お前はこっちだ!」
ギルド長直々の呼び出しだ。




