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スキル【リマインダー】進化して最高の相棒になる ~ ベテラン低ランク冒険者の成り上がり英雄譚 ~  作者: さぶもやし


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2/17

01-02.スキル検証


「ベランさんのスキル【リマインダー】が進化しました♪」



 進化……? 強化じゃなくて? 進化?


 ……いったい何が起きたんだ?




----------------------




 気がつくと自宅に帰ってきていた。


 考え事をしているうちに辿り着いたようだ。


 熱中しすぎて道中のことを殆ど覚えていない。



『リマインダー』


 頭の中で念じると、設定済みのスケジュール一覧が脳裏に浮かぶ。


----------------------

 05:00|起床

 06:00|出発

 12:00|昼食

 16:00|帰還

----------------------


 スケジュールという程のこともない。最低限の設定しかなされていない。時間になると脳内に通知が届く。時間になったと教えてくれる。それが今までのリマインダースキルだ。


 依頼を受けている最中などはより細かく設定することもあるが、基本はシンプルにこの四つだけだ。あまり細かく設定しすぎてもやかましくなるだけだからだ。



 いったい何が変わったのだろう。


 見た感じ特に変化は……うん?


----------------------

 起床|05:00

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 なんだ? 何故順序が変わったんだ?


 ……?


 起床の時間に意識を向けてみた。


----------------------

 起床|【……】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 いつも通り設定待ちの状態になった。


 しかし僅かに違う。


 ……もしや


----------------------

 起床|【日の出】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 時間以外を設定出来るようになった?


 ……どういうことだ?


 ……なんだ? これが進化なのか?


 ……???



 ……えっと。……その。……なんだ。


 進化ってこれだけなのか? 五時に起きるのではなく、日の出と共に起きられるようになったと?


 結局目覚まし時計と変わらないじゃないか。


 シスターさんいわく、進化は強化より遥かに珍しい事象なのだそうだ。中にはそういうタイプのスキルもあるのだと。そう言っていた。


 ……その結果がこれか? ただ日の出を……待てよ。


----------------------

 起床|【襲撃】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 ……出来た。


 え? これ本当に通知が鳴るのか?


 寝ていてもいつでも起きられる? 就寝中に魔物が襲ってきても、隙を晒すことなく逃げられるのか?


 いや。襲撃があってから起きたのでは遅いか。


----------------------

 起床|【襲撃前】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 出来た……。


 設定出来たということは、本当に鳴るんだよな?


 試してみよう。


----------------------

 起床|【エラー】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 ……やはりそうだ。【25:00】と設定したら弾かれた。


 あり得ない数字は設定出来ない。なら文章の場合も同じなのだろう。


----------------------

 起床|【襲撃:10分前】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 これもいけるのか……。


 ……でもどうやって?


 危機感知スキルなんかと同系統なのか?


 だとしても……。


----------------------

 起床|【襲撃:エラー】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 今度は弾かれた。一日前では設定出来ないらしい。


----------------------

 起床|【襲撃:30分前】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 これは通った。


----------------------

 起床|【襲撃:エラー】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 1時間前もダメか。


----------------------

 起床|【襲撃:エラー】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 31分前もダメだった。


----------------------

 起床|【襲撃:30分前】

 出発|06:00

 昼食|12:00

 帰還|16:00

----------------------


 最大でも30分前までらしい。


----------------------

 起床  |日の出

 出発  |06:00

 昼食  |12:00

 帰還  |16:00

 危機Lv.1|軽度の危険:30分前

 危機Lv.2|程々の危険:30分前

 危機Lv.3|【重度の危険:30分前】

----------------------


 おぉ……。


----------------------

 起床  |日の出

 出発  |06:00

 昼食  |12:00

 帰還  |16:00

 危機Lv.1|軽度の危険:30分前

  〃  |  〃  :15分前

  〃  |  〃  :10秒前

 危機Lv.2|程々の危険:30分前

  〃  |  〃  :15分前

  〃  |  〃  :10秒前

 危機Lv.3|重度の危険:30分前

  〃  |  〃  :15分前

  〃  |【  〃  :10秒前】

----------------------


 ……待て待て。


 この調子で増やしていく前に試してみるべきだ。


 そうだ。そろそろあの子が来る時間だ。


----------------------

 来客  |来客

----------------------


 これでいいのか?


 ……。


 …………。


【来客】【来客】【来客】


 鳴った!



「ベラ兄! ベラ兄~!」


 玄関の向こうから元気の良い声が聞こえてきた。



「いらっしゃい」


「あ♪ やっぱり帰ってた♪ 今日もいつも通りね♪」


 鍋を持った少女が部屋の中へと入っていく。


 この子はミリー。この共同住宅の管理人の娘さんだ。


 ひょんなことから夕食を共にするようになったのだ。



「あれ? 今日はお皿並べてないね。珍しい」


「ああ、すまない」


 スキルの検証に夢中になりすぎてしまった。



「いいよ♪ いいよ♪ なんか良い事あったみたいだし♪」


 お見通しか。



「さあ♪ 夕食にしよ♪ 何があったか聞かせてもらうからね♪」


 二人で準備を済ませて席についた。


 ミリーには何があったのかを正直に話してみた。



「おめでとう!! すっごいじゃん! スキルの進化なんて初めて聞いたよ♪」


「俺もだ」


「だよね♪ だよね♪ それで? どう変わったの?」


 かくかくしかじか。



「ならさならさ♪ ミリーが来る時って設定しておいて♪」


----------------------

ミリー|ミリー来訪

----------------------


「あはは♪ 絶対消しちゃダメだからね♪ ずっと残しておいてね♪ そうすればもしベラ兄が立派な冒険者になって旅立っちゃっても、ミリーのことだけは忘れないもんね♪」


「ああ。そうだな」


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