01-10.レベル上げ周回
「周回じゃ!!」
なんて?
「雑魚を幾ら狩っても意味は無い。ゼロとは言わんが微々たるもんじゃ。レベルを上げるには自分より強い相手に挑まんとのう。故に人間はパーティーを組むのじゃ」
なるほど……。
「ほれ。貸してみ」
魔石を受け取り、徐に叩き割る師匠。
「「えぇ!?」」
……て? あれ? ……これって。
割れた魔石から力が流れ込んでくる……。
「やはり知らんかったか。魔石を砕けば直接力を取り込めるのじゃぞ。わざわざ女神に捧げんでもな」
「「えぇぇぇぇーーーーーーー!?!?!?」」
「驚きすぎじゃろ」
いやだって!
「馬鹿正直に半分も教会に納めるのは世間知らずの小僧っ子だけじゃぞ。本来ならな」
「師匠……教えてくれませんでしたよね?」
「多少はな。女神はスキルを授けてくれるからのう。その分くらいは恩を返すべきじゃ。故に多くの者は口にせん。若者たちの通過儀礼として微笑ましく見守るのじゃ。しかしまさか十年も気付かんとは思わなんだ。カッカッカ♪」
う~む~……まあいいか。
実際女神様のお陰で今があるのだ。これからも都合が付けば納めに行くとしよう。
「あわわ!? これって罰当たりなんじゃ!?」
「何を聞いとったんじゃ。おヌシは」
「ひゃんっ!?」
バシンと、師匠がフィーアのお尻を叩いた。
「ほれ。次行くぞ」
師匠は入口に向かって歩き出した。
「え? お師匠様? 先に進まれるのではないのですか?」
「周回じゃと言うとろうが」
???
疑問に思いつつも、フィーアと二人で師匠の後を追い、ボス部屋の入口から外に出る。
全員が外に出ると扉が独りでに閉まった。
「……」
「師匠?」
「暫し待て」
「はい。師匠」
それから十分程が経つと、扉が僅かに光を放った。
「行くぞ」
それを見た師匠は再び扉を開ける。
「「あ……」」
その先には牛頭が立っていた。
先ほど倒した牛頭の亡骸や、フィーアの出した水なんかは綺麗さっぱり消え去っている。不思議だ。
「倒せ」
「「はい!!」」
師匠の意図を理解した俺とフィーアは、それから幾度も牛頭と戦い続けた。
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「ふむ。今日はこんなところかのう」
「「はい!! ありがとうございました!!」」
「上出来じゃ。フィーアのお陰じゃな。感謝せよ、ベラン。この子がおらねば一体倒すのが精々じゃったろうて」
師匠の言う通りだ。フィーアは尽きぬ魔力で攻撃と回復を続けてくれた。お陰で二十体も狩ることができた。
「当てられたのはベランさんのお陰です!」
「うむ。そうじゃな。ベランもようやった。二人の息が合うようになったのはおヌシの働きあってのものじゃ」
「師匠。俺を甘やかさないでください。フィーアが居なければ一体だって狩ることは出来ませんでした」
「その時はワシが補助しておったに決まっとろう。しかしそうなればかえって効率が落ちるでのう。魔石を砕いた際に得られる力は貢献度に応じて割合が変わるのじゃ」
どういう仕組なんだろう。
「おヌシらの成長がそのまま努力の証明となるのじゃ。女神はようこんな仕組みを作り上げたものじゃのう」
「魔石は女神様が生み出したのですか?」
「さてな」
気になる。
「ほれ。帰るぞ。しっかり休んで明日も頑張るのじゃ」
「「はい!!」」
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ダンジョンと宿の往復生活が始まった。
師匠のお陰で俺とフィーアは急激に力を付けていった。
十階層の牛頭……ミノタウロスから得られる力が少なくなると、師匠は更に奥の階層へと連れて行ってくれた。
「ウルフは素早いな。次はどう当てる?」
二十階層のボスは巨大な狼だった。
一度目はまぐれで勝てたけど、次は危ないかもしれない。リマインダースキルで避けるには、通知を聞いてから身体を動かす必要がある。俺の反射速度以上で動ける相手にはめっぽう弱いのだ。
十分の休憩時間を使って作戦を立てることにした。
「より速い風の魔術で!」
「どあほう。ベランごと切り刻むのがオチじゃろうが」
あ、師匠。普通に助言もくれるんだ。
ボス戦はずっと見てるだけだから、聞いちゃダメなのかと思ってた。
「ならば魔術にて足止めを!」
「ふむ。一つ伝授してやろう」
「ありがとうございます!! お師匠様!!」
十分で習得するの? 凄いな。フィーア。




