第7話「最強じゃない俺たちのその後」
二週間後。
ジールリー学園は普段の姿を取り戻した。
割れた窓は修理され、シデラ寮にも以前のように学生たちの笑い声が戻っていた。
そして図書館では。
ブラムの結界に守られていたおかげで、シャニは順調に回復していた。
首筋の傷も、もうほとんど目立たない。
シャニは少し照れながら、
「ま、またボードゲーム部に来てくれるかな」
「もちろん、みんなで行きますよ」
シャニの顔色はよくなり、一人出立てるようになった。
ブラムが落ち着いた声で言う。
「二十年前は誰も助けられなかった」
ブラムは静かに目を閉じると、
「……ありがとう」
と言った。
ブラムの助力なくしてこの勝利はなかった。
そして今日も学生食堂はにぎやかだ。
「バル、野菜も食え」
「えー」
「ニアはゲテモノ禁止」
「また見つかりましたか」
代わり映えのしない会話をしながら、アズラクは隣のテーブル席を見る。
シャニが本日のパスタセットをおいしそうに食べている。
「ちゃんと食べてる」
シャニは笑って、
「うん!」
と、元気よく答えた。
悪夢のような吸血鬼退治は終わった。
あの日と同じ食堂で、三人はいうものように笑い合っていた。
その隣で、シャニもまた笑っている。
それが何よりも、平和が戻った証だった。
了
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
作者として初めての連載を完結できて、走り切った感で満足しています。
完結のオマケとして裏話をしたいので、もう少しお付き合いしてもらえたら幸いです。
この作品の原型は約6年前にあります。なんと当時は吸血鬼ハンターもので、チート無双だったり、アルノルトが雑魚で途中から女吸血鬼が登場したところで力尽きて放置したという、情けない裏話がございます。
小説家になろうに投稿するようになって5編の短編を投稿したあと、自分と家族と猫ちゃんの体調不良は端折って、連載のネタを探してポメラのデータを漁ってる時に原型になる未完成の小説を見つけました。
それをAIに添削してもらったら、アクションとしてはおもしろいけどホラーとしてはつまらないという辛口評価を受け、チート要素やキャラクターの数を思い切って削って、現在の形に書き直しました。
また、キャラクターの名前はブラムとアルノルト以外は創作用のジェネレーターを使用してネーミングしました。
アルノルトは吸血鬼界隈では有名(悪名?)な人物からとっています。
司書のブラムは吸血鬼ドラキュラの作者、ブラム・ストーカーです。
私はAIの力を借りなきゃ書けない、情けない物書ですが、AIのおかげで独り善がりになりがちな文章をわかりやすく改良できたりと、完成させるまでに必要なことをAIに教わることができました。私にとってAIは文明の利器です。
最後に、一般人が吸血鬼に挑むという、ちょっと無謀な小説を読んでくださった方々、一人ひとりに厚く御礼申し上げます。
長文失礼しました。
次回からも執筆がんばります!




