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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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277/278

277ー時間をかけて

 王妃がリーヌの髪を優しく撫でながら言った。


「リーヌ、ごめんなさい。陛下に大事なお話があるの」

「あい、おかあちゃま」


 俺たちは母に連れられて部屋を出た。メイドさんたちが、慌てて四阿におやつを用意してくれる。

 だけど俺は気になって、おやつどころじゃなかった。


「ラウ、ごめんね。せっかくなのに」


 王子は気を遣ってくれる。そんなの俺より王子の方が気になっているはずなのに。


「殿下、お気になさらないでくださいませ。きっと後で話してもらえますわ。ご心配をなさらないでくださいね」

「アリシア様、ありがとう」


 結局その日は、俺たちは先にお邸に戻った。父は夜遅くに戻ってきたらしい。

 その日からしばらく、父に会うことはできなかった。

 


 ◇◇◇



「さて、皆集まったな」


 相変わらず心を鷲掴みにするようなバリトンボイスの父の声で始まる。そう、いつものあの会議室だ。

 俺は母の隣にチョコンと座っている。ミミはお昼寝らしくて俺の肩でコクリコクリとしていたから、おフクが連れて行った。

 おフクのそばの椅子にタオルを敷いて、その上でお腹を上にして爆睡だ。ピヨヨ~と寝息までたてている。なんてマイペースな鳥さんなのだろう。

 あれから数日後、久しぶりに俺が起きている時間に父がいると思ったらこの会議だ。


「今日は王妃の話を皆に共有しておこうと思う」


 あの時の話だ。まだ父しか詳細を知らない。言われるがままにアンジーさんは動いていたらしいけど、詳しくは聞かされていないらしい。

 みんな真剣な表情で父の言葉を待っている。一口ゆっくりとお茶を飲んだ父が、良い声で話し出した。


「結果から言おう。王妃は呪われていただけではなかった。軽い洗脳と言っても良いだろう」


 でた、洗脳だって。一体誰に、いつ、どうやって? 一国の王妃だぞ。

 どうせあの国だって分かっているんだ。いつの間に、そこまで入り込んでいたんだ? そうか、だから一連のことなんだ。


「とうしゃま、だからでしゅか?」

「ラウはやはりお利口だな。その通りだ」


 王妃に術を掛けた者がいる。そいつがいるから、なかなか根絶できなかったんだ。騎士団が中心になって捜索していた。その捜査の手が及ばないところにいたってことだろう。


「ラウ、なんて賢いんだ! さすが私の子だぁッ!」


 そう言って、俺を抱きしめる父。俺はまだ何も言ってない。だからですか? としか聞いてない。


「あなた、話を進めてくださいな」

「お、おう」


 父の話によると、王妃の実家の侯爵家に騎士団が一斉に踏み込んだそうだ。

 王妃付きの侍女は、実家からついてきた者だった。その侍女を介して、実家の父親が度々王妃と会っていた。

 父親なんだ、だから誰も怪しく思わなかった。しかも王妃の実家は由緒正しい侯爵家だ。

 そこが盲点だった。その父親や王妃の実家全体に、あの国の手の者の力が及んでいた。

 何年もかけて何度も王妃に会うたびに、少しずつ誘導していたらしい。王弟はこんな非道なことを考えていると、事実無根な話を吹き込んでいた。


「ではご実家の人間が王妃様を洗脳していたのですか?」

「アリシア、そんな訳はない。この国にそのようなことができる者はいない」


 えっと、ちょっと整理しよう。王妃にこうしろと誘導していたのは、実家の父親。俺の父を怪しむようなことを吹き込んだのも、その父親。

 だけど王妃を洗脳することはできない。だってこの国の人たちは、そんな能力はもってないから。

 なら、王妃の実家を洗脳していた誰かがどこかにいるということだ。俺は考えながらつい癖で腕を組み、指をペチッと額につける。


「坊ちゃん、久しぶりに見たッスね」


 アンジーさんが俺に言う。何がだ?


「その考えるポーズです」


 あれ、久しぶりだっけ? 俺っていつの間にかそんなポーズをしていた?


「赤ちゃんの頃はよくしていたッス」

「しょうらっけ?」


 無意識だけど、それはとっても赤ちゃんらしくなかったな。それよりも、父にその先を話してもらおう。


「以前、深紅の髪の女性の時に分かったことがあっただろう? あの女性のように人の命にまで影響を及ぼすような、完璧に洗脳することができる者は限られている。髪色が深紅で瞳がローズ色の女性に限ると。だが、そのような女性は確認されていない」


 どこかに洗脳できる人間が潜伏しているはずだ。だけどその人物が、以前の女性みたいに深紅の髪でローズ色の瞳かは分からないということだな。

 なら、そこまでの能力もないのだろう。そっか、だから時間を掛けて少しずつなんだ。


「ふむふむ」

「ラウったら、分かっているのかしら?」

「アリシア、何をいう。ラウは天才なのだぞッ!」


 なんかこういうのって久しぶりな気がする。最近は俺が何をしても、驚かなくなっていたから。


「老師がラウの手を借りられないかと、また言ってきている」

「ろうしがれしゅか?」

「ああ、是非ラウ坊に! と懇願された」


 とっても嫌そうに言っている父。きっとしつこく言われたんだ。でも俺が行っても仕方ないと思うよ。

 老師は白魔術師の中でも能力は高い。それをよく知っている。今回、王妃を解呪したのも老師だし。ちょっとやり過ぎたかも知れないとは言っていたけど。


「王妃の父親が一番深いらしい」


 深いというのは洗脳のことだろう。よく命を取られなかったものだ。深紅の髪の女性の時は、そうだったから。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ラウの3巻のSSに悩んでおります。

一応書いたのですが、締め切りまでまだ余裕があるので寝かせています(^◇^;)

なんとなく、納得できずにいるからです。

0歳の頃のラウが恋しいです。やんちゃなのがまた可愛かったですよね〜

私ってちびっ子どころか赤ちゃんが得意かも知れない!なんて思いましたもん(^◇^;)

とうとう赤ちゃんか!?なんて意見もありましたが。

もう少し頑張ってみます。

6月に発売予定なので、楽しみにしていただけると嬉しいでっす!(◍˃ᗜ˂◍)ノ

挿絵(By みてみん)

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