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☆第12回ネット小説大賞入賞☆重版御礼☆稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜  作者: 撫羽
第3章 みんなで行こう!

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247ー会談

「あーしゅらん、おしろに、いかなくてもいいの?」

「ああ、そうでした。ちょっと行ってまいります。では奥方様、また後ほど」


 そう言って仰々しく頭を下げると、また黒いモヤモヤの中に消えて行った。

 あれってどうなの? きっと魔族の転移みたいなものだよな。あんなの使えるなら、どこへでも行けるじゃないか。反則だよ。


「みゃ、やっといったみゃ。しょろしょろ、ももじゅーしゅのむみゃ?」


 ミミったら、さっき朝食の時にもらったばかりじゃないか。


「あーしゅらんのしぇいで、ちゅかれたみゃ」


 なんにもしていないのに。ただ、桃ジュースが飲みたいだけだろう?


「みゃ!? しょんなことあるみゃ」


 あるのかよ!


「ふふふ、四阿に行きましょうか。お茶しましょう」


 母と手を繋いで四阿へ向かう。この家の庭に咲いてる花が一番綺麗に見える場所だ。母が花を選んで配置も指示していると聞いた。季節ごとにいつも綺麗な花が咲いている。

 俺がアコレーシアに持って行っていた花も、この庭に咲いていたフリージアだ。

 母がお気に入りの四阿で、ミミが無事に桃ジュースに有りつけていた時だ。


「ねえ、ラウ。私も魔王城へ行ってみたいわ」

「え……」


 もしかして母はずっと思っていたのかな? そう思えるくらいに、真剣な眼で言われた。表情は微笑んでいるんだ。だけど眼が笑ってない。これはあれだ、誤魔化せないやつだ。


「かあしゃま、ぼくはかあしゃまを、きけんなばしょに、ちゅれていきたくないれしゅ」

「ラウも危険でしょう?」

「ぼくはてんいれきましゅ。しーるどもちゅかえましゅ」

「私もリンリンがいるから大丈夫よ」

「けろ、しょれれもれしゅ」

「ラウ、母様はラウが心配なの」

「えっちょ、こんどから、さいらすがいっしょに、いくといってましゅ」

「あら、サイラスは転移もできないしシールドも張れないわよ」

「えっちょぉ……」


 おっと、どうしよう。これって、俺に母を説得できるのか?


「奥様、私も行きたいです」

「でしょう?」

「はい! はい! 私もです!」

「ね、コニスもよね」


 女子三人、しかも我が家の最強女子三人だ。それに俺一人で対抗できるのか? いや、できない。できる気がしない。


「とうしゃまと、しょうだんしましょう」

「ええ、そうね。そうしましょうね」


 にっこりとして母が言った。取り敢えず、この場はやり過ごせた……のか? 父が帰ってきたら相談しよう。父ならなんとかしてくれるだろう。そう思いたい。

 ああ、もう。どうしてこう我が家は強い女子ばかりなんだ。いや、まあ、父の職務上、強くないとやっていけないのだろうけど。

 俺が母の爆弾発言で真っ青になっていた頃、父は城でアースランと会談をしていた。



「では、この内容で契約ということで」

「はい、助かります。こんなに食料を提供していただけるとは」

「特にラウの好物を中心に集めました」

「ええ、魔王様がお喜びになるでしょう」

「また、ラウと魔王城へお邪魔しようと思います」

「ふふふ、いつでもお待ちしてますよ。魔王様がラウはいつくるのだ? とおっしゃって待っておられます」

「ではラウに伝えておきましょう」

「はい、早いうちに来てくれると助かります。今度は奥方様も是非ご一緒に」


 そんな話をしているとは、俺は全然知らなかった。父が帰ってきたら、母を説得してもらおうと待ち望んでいた。


「ラウ、今度いつ魔王城へ行く?」


 父が帰ってきていきなりそう言われた。おっと、そのことは先に父と相談してからと思っていたのに。


「今日アースランが言ってたぞ、最近行ってないと」


 そっか、今日はアースランと会ってたんだ。


「今度は是非アリシアもと言っていたぞ」

「まあ、そうですの! 私も是非行きたいわ」


 ああ、これって駄目な感じだ。まさかアースランがそんなことを言っていたなんて。しかも、父もちょっと乗り気じゃないか?


「魔王城は面白いぞ。花が笑うんだ」

「なんてことでしょう!? お花がですか!?」


 ほら、どんどん母が一緒に行く雰囲気になっているじゃないか。魔王城に家族揃って行ってどうするんだよ。一体、なんの集まりなんだ? て話だよ。なんで家族揃って行くんだよ。


「とうしゃま……」

「ラウ、で、いつ行く?」


 ん? ってお顔をして俺に聞いてくる。もう行く気満々だ。いやいや、待って。


「みんないっしょには、いきましぇん!」

「だが、アースランがお待ちしてますと、言っていたぞ」

「ぼくだけでいきましゅ」

「ラウ、もう諦めなさいな」


 そう言いながら、母は俺の前にしゃがみ込んで俺の両手を取る。温かくて柔らかい手だ。この手の届くところにいると、俺は安心する。いつも守ってくれているんだ。


「私たちはラウの親なの。どんなことも、ラウと一緒に同じ目線で見ていたいわ。ラウの見ているものを私たちも見てみたい、知りたいの」

「かあしゃま……」


 母の優しい目が俺を正面からじっと見ている。母の気持ちが両手から流れてくるみたいに感じる。こんなのもう無理だ。


「ラウだけじゃない。私も側にいる」

「おう、俺もいるぜ」

「私もいるわよ~」


 フェンとリンリンだ。まあ、この二人も一緒なら心配ないか。


「かあしゃま、ぼくのそばにいてくらしゃいね」

「ええ、ラウと一緒にいるわ」


 こうして、母も一緒に魔王城へ行くことになった。


お読みいただき有難うございます!

宜しければ、是非ブクマや評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


もう投稿する時間ですよ。1日が早い(^◇^;)

ラウはお母様に根負けしてしまいました。

アースランも好きなキャラです。魔王には辛辣な時もあるのですが、ラウにはとっても甘いです。可愛がってますね。


ラウ②が発売中です!今ならイラストカード封入ですって!

よろしくお願いします(人´ω`*)♡

挿絵(By みてみん)

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