3422/3429
人となりに興味のある界隈
「そもそも写真も残ってるか怪しいくらいだからね。百年も昔になると」
「確かに百年以上昔の人で似顔絵でも顔のイメージがある人間と言われると……中々思いつかないか」
かなり有名な偉人に限られるだろうな。
「ましてやそれが表舞台には直接出て来るわけでもない作家となると、情報が出回る事も無いだろうね」
「まあ、ファンは作品を楽しんでいるのであって、作家の人となりに興味があるかと言われたらそんな事は無いだろうからな」
勿論、作家とか監督とか、そういう人間のファンという人もいるだろうが、大半は作品のファンだ。
「そういう意味でも、作家と作品は分けて考えている人が殆どだろうね」
「まあ、作家の人となりと言うか……生き様や死に様を含めて評価される事もあるがな。特に芸術家の世界だと多いか? 死後にその悲劇性を含めて評価されるって作品は」
「悲惨な人生を歩んだ芸術家は、その悲劇が作品に表現されてるって考える評論家は多いね。貧困とか、病気とか」
「そういう意味じゃ、芸術界隈は作家の人となりに興味がある界隈と言えそうだな」
まあ、ポジティブな面よりネガティブな面の方を重視して考察されるあたり、皮肉なものとしか言いようが無いがな。




