その気になれば復元可能
「……実際、魔導書の修理なんてどうするんだ?」
「修理って言うか、修復だね。色んな魔法薬で紙の状態を元の状態に復元するんだって」
「汚れは落とせるかもしれないが……ページが破れてたらどうするんだ?」
「紙と同じ成分を用意して補填するしかないね。この復元方法で一番難しいのが、書いてある情報の復元。前後の文章の流れから欠落部分の推測をするか……写しを予め用意して復元作業に取り掛かるかだね」
復元方法は割りと真っ当と言うか……自動で直ってくれるとかではないのか。
「何事も情報のバックアップは重要と言う事か」
「大量生産されてる魔導書なら同じ本と見比べれば修復はすぐに終わるけど、オーダーメイドだとそうはいかないね。まあ、そんな高級品は間違いなく写しかレプリカを作って一緒に保管しておくものなんだけどね」
保証書みたいなものか。とは言っても、設計図を個人に保管させるようなものだ。そんなもんを渡されてもどうしようもないような気もするが。
「模造品か。……もしかして、模造品さえあればもう一冊丸々増版出来たりするのか?」
物理的には、理論上可能なハズだ。いや、紙幣みたいに特殊な印刷方法を用いていると言われたらどうする事も出来ないが。
「模造品だけだと本物の成分とかどんな魔術的細工を施してるかわからないから復元はほぼ不可能だね。逆に言えば、情報さえ完璧に揃っていれば、技術さえあれば作り直し可能とも言えるね」
その気になれば復元可能ってわけか。




