~ 肝 試 し ~
其から 七日過ぎた頃 …
正吉 は
「あの家の様子を見て来い!肝試しだ!」
と 正吉に頭の上げる事の出来ない
小作人 の 息子達に 言いつけた …
村 の 五人の若者達は
嫌とは言えずに 山奥へと向かった …
家の前で 五人は 顔を見合せ
ゴクリッ!
と 唾を飲み込み 頷き合うと
「せぇ~のぉ~っ!!」
と 声を合わせ
引き戸の前にある 囲いを取り払い
ガラガラッ !
と 戸を開けた …
シ ~ ン … と
静まり返る 家の中 …
突 然
天井から バサッ!
と 黒い塊が 落ち
一人 の 男の 喉を 噛み千切った …
ブシュー ー ッ !!
と 真っ赤な 血飛沫が舞い散り
「ヒィ~ !ヒィ~!!」
と 三人の若者が逃げ出した…
一人の若者は 腰を抜かし …
尻と足を使い 何とか 後退ろうと もがいていると …
童子が
真っ赤な目 と 真っ赤な口を開け
ニタァ ~ っと 不気味に笑い
「オイ … 正吉ハ ド ウ シ タ ? 」
と そう聞いた …
ブルル ブルル と
若者は 首を横に振り
「しっ …知らない … み みみ 見て来いって言われた … たたたた … たっ 助けてくれ !!」
と ズリズリ と 若者は
抜けた腰を 引きづり 後退った …
「ソウカ … 其ハ … 悔シイゾ !!ウッキャキャッ!」
童子 は いきなり
若者の 左足に 斧を 振り下ろした
「ギッ イ ヤ ァ ア ー ア ー ア ー !!」
腰を抜かした
若者 の 悲鳴 は 村へと 急ぐ
三人の若者達の 耳にも響いた …
三人 は 一度
立ち止まり振り返りはしたが …
戻る 度胸は無く …
再び 村へと 走り出した …
無事 村 へ 辿り着いた 三人は
直ぐに 正吉 の 元へ行き
今 起きた 全てを 話し聞かせた …
「アッハハハ ! そんな事がある …も…ん… か … あっ ! 何 だ ! うわぁ~!!」
話しを 聞き終えた
正 吉 と 若者達三人の 腕 や 顔 に
次々 と 水 疱 が 表れ
ぷくぷくっ と 膨らんだ …
バタンッ! バタッ バタンッ!!
正吉 も 若者達三人も
その場に倒れ 意識を失った …
一昼夜 眠っていた 正吉 が
目を覚ますと …
父親の 定吉 と 母 の トミ が
心配そうに 正吉を 見つめていた …
「正 吉 !!」
父 と 母 の 声が 聞こえた …
「峠は 越えたようだ … 」
と 医者の 声だろうか ?
正吉 の 瞼は 腫れ上がり
よく 見えず …
正吉 は 顎を上げて
辺りを見回した …
正吉 は ポカンとした顔をして …
「あれ 三人は ?」
と そう聞いた …
トミ は 俯き シクシクと泣いた …
定 吉 は 首を横に振り
「駄 目 だ っ た … 」
と 辛そうに そう応えた …
「駄目 ? 駄目って 何だ? 死んだのかっ? 」
正吉 は 定吉 に 聞いた …
定吉 は …
「あぁ … 」
と 首を 縦 に動かし 俯いた …
正 吉 は ガタガタ と 躰を震わせ
「嫌だぁ~! 俺も死ぬ! 俺も死ぬ~!次は 俺だぁ ~!!」
と 頭から 布団を 被って 躰を震わせた …
息子 の 様子に
定吉 は 正吉 の 布団を剥ぎ取り
「 訳 を 話 せ ! 正吉 ! 」
と 責め寄った …
正吉 は 泣きすがりながら
洗いざらいを 定吉に話した …




