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~ 鬼 道 師 ~   作者: MiYA
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4/4

~ 償い ~

定吉 は 早速 遣いを出し


黒い童子を 退治してくれる者を探した


二日後 …


定吉の出した 遣いは


美しい女を 連れて戻った …


名 は 水蓮 …


彼女は そう言った …


正吉 が


若者達から聞いた 話しを


水 蓮 に 告げると …


彼女 は 正吉に こう聞いた …


「その 幼子が … 鬼にならねばならない理由は ?」


正吉 は


水蓮 の 顔を見ていられず 俯いた …


水蓮 は


「因果応報 … 必ず報いは 受けるものですよ 正吉さん …」


と そう言った …


水蓮 は 必要な物を 定吉に告げた …


定吉 は 直ぐに


食べ物 ・ 炬 ・ 酒 ・ 塩 と


水蓮 の 指示通りに 揃えた …


早速 村 の 男達 と 定吉


そして 嫌がる 正吉 も 連れ


山の奥へと向かった …



童子の住む 家の前には …


両足 の 無い 若者の 亡骸が


必至に 戸口を 囲い押さえていたのか …


腐り ブ~ ン ブ~ ン と 蝿が集っていた …


水蓮 は 亡骸に 手を合わせると


男達に 亡骸を避けさせ


何やら ブツブツと


経のような文言を唱え 塩と酒を撒いた…



「ウキャッキャッ! 正 ~ 吉 ~ ! 正~吉~!!」



地の底から 響くような 低い声が 響いた…



正吉 は ガタガタ と 躰を震わせ 踞った…


水蓮 は 男達 に


亡骸が 押さえていた 囲いを外させた …


水蓮 は 再び ブツブツ と 文言を唱え


「その 塩の線から 此方へ来てはいけません !! 」


と そう言うと


ガラガラッ! と 引き戸を開けた …


「ウキャ ッ ! ウケケッ! 女 … 正吉 ハドウシタ? 」



童子 は 斧を 構えて


真っ赤な口を開け ニヤリと笑った …


水蓮 は 腰袋から


水晶を取り出すと


童子に向かい投げつけた



「ギィギィイイ … 女 … ナッ 何ヲ !」


童子 は 金縛りに掛かったかのように


動けなくなり 苦しそうに 悶え始めた …



「童子 … 人間が 憎いですか… そんな姿になる程に … 」


水蓮 の 言葉に 童子は


悶えながらも 頷き …



「アァ … 憎 イ … ヤッ … 八ツ裂キニシテモ … タ リ ナ イ … 」



と 応えた …


「では… 童子 … 父にも 母にも 二度と巡り会えず … そなたの 後ろに立つ その鬼と伴に 無限の時を 呪い 憎み 続けると言うか!」


水 蓮 は


気を吐きだすように 声 を 荒げた



「オッ … 女 … オ前ニ 何ガ 解ル ー !正吉ヲ ヨコセ ! グワァアァー!!」



童子 の 躰は 力 を 放つように


黒い影が 巨大に 膨らんだ …


まるで 燃え盛る


真っ黒な 炎のように 伸びる影


水蓮 は 童子を見つめたまま



「今です ! 火を放ちなさい!!」


と 外で 震えながら 待つ 男達に叫んだ



ビクッ!と躰を揺らし


あわわあわわ と


男達は 慌てながら火を放った …



炎 は 見る間に


メラメラと 立ち上がった …



「グオォオ ァァオ !!」


雄叫びのような 悲鳴を上げ


童子 は 炎 の 立ち上る家から 飛び抜けた…


「逃がす訳にはいきません … 天 ・ 道・ 縛 !!」



水蓮 は 再び 腰袋に手を入れ


小さな水晶玉を


童子に向かい投げつけた



バツン ッ! バツンッ!


と 数個の 水晶玉が 童子にあたり


童子は


空中で動けなくなり


森の大樹に


叩きつけれ 貼り付いた



水蓮 は 直ぐに 大樹の 元に 移動し


童子の 貼り付けられた


大樹の前で 読経を始めた …


水蓮 の 脳裏に



家族と伴に …


楽しかった頃の 童子の姿が 映る …


何の疑いも … 何の不安も無く


笑っている 童子の笑顔が …



水蓮 の 目から


ポツリ ポツリ と 涙が 零れた …



大樹に貼り付けられ


身動き出来ずに 悶え苦しむ



赤い目の 哀れな 童子 …



再び 水蓮 の 脳裏に



此の姿に成り果てる迄の


童子の 哀しみと 憎みが 映る …



水蓮 は ギュッ と 瞼をきつく瞑り



「童子よ ! いえ … 一太 … 戻りなさい!優しき姿に ! さすれば 私が 天への道を必ず開く! 一太 戻りなさい ! 優しき心に !!」



声を枯らし 力強く 叫んだ …



「無駄ダ … 女 … 一太 ハ 我ト 共ニアル… 無限ニ 我ト 共 ニ … フッハッハ ! ウワッハッハ !!」



ガクンっ と


水蓮 は 肩を 落とし


大樹に張り付く 黒い影を見上げた …



赤い瞳から 流れる …


一筋の 赤い 涙 …



「一太 … 」



水蓮 は ポツリと 呟くと …


「大樹に 火を … 」


と 力なく そう言った …


炎が上がり


大樹は ゴオゴオと 音を上げ


焼け崩れた …



「ギィヤアアアァ !!」



一太 なのか 影 からなのか


断末魔が 山奥に 木霊した …



大樹が 燃え尽き 灰となる迄


水蓮は その場を去ろうとはしなかった…



灰を布袋に入れ


定吉 と 正吉 親子に こう告げた …



「貴方達は 罪を犯したのです … 代々 心を込めて 此の灰を奉り続けなければ なりません …其が 一太と 家族に 対する償いです」



定吉 と 正吉 は


「はい … 」


と 涙を流し


大樹 の 灰を 受け取った …




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