駄文
*あとがき*
リール&シザーズ、いくつかの謎を残しての1部完結です。
この話は個人的に、ミステリーらしいミステリーを書いてみたいという気持ちと、ファンタジー要素を取り入れてみたいという気持ちの狭間にあって出来上がったものです。
とはいえミステリーの種がファンタジーになっては興ざめだなと思い、逆にファンタジー要素をミステリーで紐解く形にしました。
不思議なことは好きです。不思議が暴かれていくのも好きです。
でも一番好きなのは永遠に解けない謎。
そんな意味で、自分の好きなものを形にできて楽しかったです。
モチーフというか、主題のようなものは、仏教的な思想から得ました。
私は無信心ですし特に宗教に思い入れがあるわけではないのですが、常々ブッダの思想家としての側面は素晴らしいなと感じていて。
彼言うところの“色”をそのまま“色”に置き換えて自分なりに解釈した結果、この話が生まれました。
自分と言うフィルターを通す以上、この世のものはすべてまやかし。
極端に言えばそういうことなのだと思います。個人的解釈ですが。
次回は大好きな森鴎外の某短編小説をモチーフに、ただいま作成中です。詳しいことはまた、あとがきで明らかにしたいと思います。
第二部は目次ページにリンクを設置していますので、お手数ですがそちらからお入り下さい。
タイトルは『ダウト&トラスト』、舞台はリール協会本部のあるフランスへと移ります。
策略、陰謀、暗号、そして異国の地を奔走する……、またもや私が大好きな要素、てんこもりです。
心苦しいのですが、しおり等はまた挟み直していただかねばなりません。ご面倒をおかけ致しますが、何卒ご容赦下さいませ。
ご読了に感謝して。
2010.5.15 斎川燈 拝