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第4話.石原アヤトに伝えたい


…なぜ数学の教科書を…?遠藤は数学が好きで…俺は苦手だけど…ってことは「俺に教えるため…?数学を」彼女は頷き言った。「…石原くん…数学…苦手って…言ってたから…お、お返し…したい」俺は嬉しすぎて舞い上がりそうになった。そして、俺と遠藤は二人で机をくっつけて勉強をし始めた。彼女は少し言葉を詰まらせていたけど、説明は分かりやすくて、テストの範囲がすぐ終わるほどだった。俺たちは少し休憩している時に、彼女は口を開いた。「…少しだけ、聞いて、ほしい」


「…うん、聞きたい」彼女は少しだけ安心したような顔をして、話し始めた。「…わ、私は、昔…そういう言葉を伝えて…母さんをこ、殺しちゃった…の…」「…どういうこと?…ゆっくり話して欲しいな」「え、えっと…む、昔に父さんに、暴力を振るわれて…その時、母さんが…私を守るために…殺して…」「…うん」「…そ、それで…無知な、私が…何も分からずに、あ、あ、ありがとうって…」「…うん」「それで…母さんはそこから…居なくなって…」「…うん」「もし、違う言葉を言ってたら…母さんは…」「…辛かったね」泣きながら話す彼女を見て、俺は彼女の手をとった。彼女は話を続けた。「そういう言葉を言ったら…母さん思い出しちゃって…」「…うん」「言ったら、また失うかもって…」


「…遠藤さん、俺はさ…別に無理に伝えなくても良いと思うんだ」「…え?」「その…無理して言わなくても…前みたいに会釈で返したり…その、言葉じゃなくても…伝わる方法を探そうよ!!」俺は涙を流す彼女を見て耐えられなくなった。こんな辛いことがあったのに、俺と話してくれて、ずっと辛い思いをしてたことを話してくれて。

「…で…たい…」「…え?」彼女は小さく何か言っていた。「…でも…石原くんには、伝えたい」


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