スキルマスターを目指して?
「で、だ。」
「なんだい? イケメン。」
「どうしたの? イケメン。」
「おう……、まあ褒め言葉だし許してやる。」
ひどいなー、こんな綺麗なコ(イ)が褒めてあげてるっていうのに。
「俺的にはスキルとやらの使い方を覚えておきてぇ。」
「そうだねー、僕としてもその意見には賛成かなー。」
「まあこれから生きていく上で重要っぽいからね。」
というか、異世界に来てスキルがあるのに使わない理由が無い。
「それじゃあ各自で調べてみる?」
「そうだな、それが一番良さそうだ。」
「よっしゃ! 俺が一番最初に使いこなしてやるぜ。」
さてと、まずはお約束のスキル名を叫ぶパターンから。
「発電!」
…………ダメっぽいな……。通常の生体電位以上の何かを生じさせた感じが全くしない。
あれだ、スキルを使うという意思が足りないんだ。きっとそうに違いない。
次はスキルを使うという意思を籠めて。
「発電!」
…………ダメみたいですね。
これは多分スキルのイメージが足りないんだな。多分、おそらく。
元人間のイメージ力を最大限活用して。
「発電!」
パチッと小さな音がして電気が周囲に流れる感覚がする。
「よし、成功だな。」
なんで電気が分かるのかって? 多分だが、"電流探知"とかいうスキルのおかげだ。
これなら少し電気を抑えて……。
お? おお? キタキタキタ! 周りの様子が大まかにだが分かる。
これは最終的に目をつぶっても戦闘ができるとか、そんなロマンがありそうだ。
「おーい、お前らはスキル発動できたかー。」
「僕は出来たよー、あとスキルは名前を言わなくても発動出来るっぽいよ。」
「マジかよ俺めっちゃ恥ずかしいじゃん……。」
「ところでタッちゃんがまだスキル発動出来てないっぽいんだけど。」
「教えに行きますかね……、爺さんや。」
「そうじゃのう、婆さんや。」
この手の会話で性別の矛盾が起きないのはまったく初めての経験だった。
「魔力光線!……なんで出来ねぇんだ?」
「へぇい、あなたの親友の幸一改めハヅサだよ。」
「はぁい、あなたの親友の斎藤改めコモンビーンだよ。」
「おう、お前らか。お前らはスキル発動出来たか?」
「できたよー。」
「出来たぞ。あと、もうちょい水辺に寄ってきてくれない?」
「そういやお前は水から出られないんだったな。」
俺の事を忘れるなんて……、まさかお前偽者か!?
「おう、また馬鹿なコト考えてやがんな?」
「俺は無実だ。」
「信用できねぇ……。」
「そんな事は置いといてさ、僕たちはタッちゃんにスキルの使い方を教えるためにわざわざこっちにやって来てあげたんだよ?」
「そうだぞ、一生涯感謝し、崇め、養ってくれ。てか種族以外問題無いし、最終的に結婚からのニートムーヴを見せてやるから結婚して?」
「なぜお前らはそんなに偉そうなんだ、そしてハヅサに至ってはただのホモじゃねぇか。俺にそんな趣味はねぇぞ。」
「いやいや、男との絡みはTS物の中でも俺が好きなものだから。」
大好き……と言っても過言では断じて無いだろう。
「だから実践すると?」
「まぁ、そうなるよね。」
「ただの変態じゃねぇか……。」
心外だ、"好奇心が強く、実際に見て感じるのが大好き"とでも言って貰いたいものだが。
「で、まあ偉そうなのは良いとして、教えてくれるってのはありがてぇ。」
「そうだろうそうだろう、もっと褒めてくれたまえ。」
「わーすごーいうれしーい」
「棒読みが過ぎる……。」
悲しいなぁ……。こんな子に育てた覚えは無いんだけど。
「それでだよ、まあまずはそのスキルの詳細を教えてくれ。」
「おっおう……、急に真面目になったな。……俺のスキルの魔力光線は、"魔力をチャージした後にビームの様にして打ち出すスキル"らしい」
「それならさ、尻尾に魔力を集めて尻尾の先から打ち出すようなイメージでやれば出来ると思うよ。あと名前を言う必要は無いよ。」
「がんばれ未来の旦那様。」
「お前の中ではそれはもう決定なのか……? 突っ込んでくるトラックよりも遥かに身の危険を感じたぜ……。」
酷いなぁ、俺の乙女心(建設予定地)が傷付いてしまうよ。
まあもちろんの事ながら冗談なのだけれども。
「まあいいか、取り敢えず魔力を尻尾に集める……。」
おー、尻尾の先の結晶がチカチカと光り始めた。
……なんだかどこかの大怪獣を思い出す光り方だ。
「纏めて放つ!」
「うわぁ……めっちゃ出てる。」
「白いのが沢山。」
「泣くぞお前ら。」
まあ、おふざけはこれくらいにして。鉛筆の芯程度の紫色の光を纏った白いビームが出た。
威力としては、三秒程度照射された木葉が焦げたので、まあ実用圏内には入るのだろう。
「うーん……、あんまり威力がねぇなぁ。」
「いやいや、俺らまだLV1だぞ、充分だろ。」
「だよねぇ、僕たちはまだまだ将来性があるんだから。」
あれよ、俺達の冒険はこれからだ! ってやつよ打ち切りかな?
終わらないんだよなぁ……。




