表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/24

ちーちゃんのフルーツバスケット

 小学校の頃、同じクラスにちーちゃんという女の子がいた。ちーちゃんはきれいなおかっぱで、特徴的な声をしていて、いつもスカートをはいていた。

 ちーちゃんはクラスの中でただ一人女子としての存在価値がないと男子は結論づけていた。何故ならちーちゃんは無防備ですぐにパンツが見えてしまい、その頻度の高さにさすがの男子も呆れてしまっていたからだった。ちーちゃん以外の女子のパンツは価値が高く、見れたらラッキーという共通認識で、ズボンばかり履いている女子がいたら、たまにはスカートを履いてくるようにさりげなく勧めたりするのだった。

 ちーちゃんは価値なき女子だと思われていることに気付いていたのだろうか。他の女子もちーちゃんに呆れ、侮蔑の対象としていたように思える。いじめにこそ発展しなかったが、ちーちゃんは終始軽く扱われていた。それでもちーちゃんは笑いを絶やさない女の子だった。僕はちーちゃんを見かけると色々と思い出して考え込み、複雑な気分になった。でも、ちーちゃんと話すことはなかった。

 ちーちゃんが転校することになったのだ。もうちーちゃんのちゃんとした名前を覚えていないのだが、転校間近にちーちゃんの名前を三つにわけてフルーツバスケットをすることになった。それは担任の先生が考えたものだった。僕はそれがすごく嫌だった。残酷な仕打ちにしか思えなかった。普通に、今までどおりのフルーツバスケットにしておけばいいのに。そう思った。でも、ちーちゃんが楽しそうだったからそれでいいのかもしれないとも思った。少なくとも僕は自分の名前でフルーツバスケットなんてしたくないと思った。

 ちーちゃんが鬼になってしまった。クラスのみんながちーちゃんを囲う。

「ああ、君が鬼になったのはいいね」と満足げな担任の先生。僕は終始軽く扱われるちーちゃんに同情していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ