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SG Ⅰ Soul Tags:Start Signal  作者: Omsick
Day5 継承/決意
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33/51

Day5-7 New Face

 FPS?フレームレート?|Frames Per Second《1秒間あたりのフレーム枚数》?


〔いや、|Fire Per Soul《魂あたりの火》――要するに、魂が持ってるパワーだよ〕


 僕の数値は?


〔150FPS。Grade:Ⅲとしちゃ弱いかなって感じ。相手はさっきも言った通りかなり強い。値として100の開きがあるね〕


 そうか、僕は弱いのか。

 若干の残念さを覚えつつ、僕はじっと相手を見据えた。


 彼は何かから逃げている。助ければワンチャン仲間になってくれるかもしれないけど、僕よりも遥かに強い彼があそこまで焦って逃げるような相手に、果たして僕が勝てるだろうか。


「あ!そこの人!助けて下さい!」


 目が合った。耳触りのいい声をしている。視覚による情報も込みで、小6か中1。この推測に間違いはない……筈だ。


「落ち着いて。何があったのか―――」


「止まんのは無理です!話すんなら並走してください!」


「えー……」


 まぁ、この際仕方ない。Artsにランニングの技はないけど、遊力を集めれば多少はマシになるだろう。僕は周辺に敵がいないことを確認し、全遊力を脚に集約させて地面を蹴り上げた。乗り物には一瞬で追いついた。


「ああ、あなたもそ(・)れ(・)使えるんですね」


「それ?」


「その……体の部分が光るやつですよ。さっき体から水を出す人も使ってましたけど、何なんですかそれ?」


 ああ、そうか。僕は仙煌と拳がいたから知ってたけど、ここまで一人で生き残ってる人は自分の事に精一杯で……


「分かった。後で教えるからさ、とりあえず今、何に追われてるか教えてくれない?」


「ああ、はい。ええと……」


 一応、後方を確認してみた。なんかやけに大きい物体が見える。


「多分、力鬼あたりの変異体だと思うんですが、どうにも動きが怪しくて……」


 彼の言葉に違和感を覚え、僕はさらに質問をした。


「君、プレイヤー歴どのくらい?」


「このゲームですか?このゲームは……ざっと2年くらいですかね」


 2年。同じゲームを2年。もしそうだとすれば、さっき「力鬼あたりの」「変異体だと思う」という発言はおかしい。なぜ確証を持って言わないのか。そして「力鬼あたりの」とはどういう意味なのか。鬼の特徴など、記憶力がなかろうと数週間もあれば嫌でも身につくだろう。


「ただですね……あいつ多分変身できるんですよ。あんなの見たことないです」


「多分変身できる……?何を根拠に?」


「確証はないです、マジで。さっきも僕は発言をぼかしましたけど、あれは自分の目を信じられなかったからです。さっき僕はあいつと遭遇したんですが……」


 次の瞬間、上空で何かが走ったことに、僕は気付いていなかった。



 ―――



「俺はいつになりゃ出撃できんだ」


「落ち着きたまえ、ビリビリ小僧。本日中、遅くとも明日中には殺戮が可能だ」


「マジでか!?ようやく……ようやく、連中への恨みを晴らすことができる……!!」



 静かに蠢く悪意は、やがて遊戯(ゲーム)のみならず、現実すらも飲み込んでいくことを、プレイヤーたちは―――いや、運営すらも、それを知る由はなかった。

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