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SG Ⅰ Soul Tags:Start Signal  作者: Omsick
Day4 綻び
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23/51

Day4-4 固有装具

「理宮!!」


「……重いッ……」


 理宮が耐えきれずに吹っ飛ばされた。

「なっ……お前―――!」


 直後に飛んできたのは、強靭な腕による薙ぎ払いだった。


「っ……」


 僕はガードの体勢を取る。そんな事をしても意味が無いことを完全に忘れていたんだ。


 水音がした。僕の身体は、隕石体の腕を透過していた。

 僕から見て、右から左へと振るわれた腕。つまり位置的には僕に先に当たる筈だ。しかし僕がそれを無効化した。

 僕の身体程度の体積の水じゃ勢いを弱めることは出来ない。クッションにもならないから、つまりその力は余す所なく拳(けん)に叩き込まれる――

「拳!避けて!」


「チッ……Artsに防御技は用意してねえのに……!」


 理宮と同じように吹っ飛ばされた拳は、壁に叩きつけられた。


〈プレイヤーNo.568、恵流仙煌。Gradeの上昇を確認しました〉


 また、あの時の電子音。

 ……ああ、少なくともこれだけは確かだ。

 僕に、打撃は効かない。もしかしたら斬撃や刺突も効かない可能性がある。


「かかって来なよ。お前の攻撃は、僕には一つも通らない」


 僕は前に進み出た。


「Grade:Ⅲなら出せたりしないかな……水圧カッター」


 僕は手刀を作って目を閉じ、手に水を集めるようなイメージを浮かべた。


「……視えた。流刀(りゅうとう)・雫魚(だび)」


 手元に現れたのは、先端に行くにつれて細くなっており、そして明らかに脆そうな、水で出来た刀だった。


「あれ?手刀だと思ったんだけど……これどう見ても」


〔……固有……装具……?いくらなんでも―――〕


 固有装具?これ?


〔ああ。それはスキルではなく固有装具。本来ならGrade:ⅦかⅧあたりで漸く手に入る代物。何かを捉えることで、気づけば手元にある。そんな神秘的な物のはずだ……それを、Grade:Ⅲでだと!?〕


 それがこの水で出来た刀?明らかに先端が貧弱なんだけど。まあ、いいや。


「……拳、理宮。まだ死なないでくれよ」


 一人呟き、刀を構える。


「技名は無いけど、まぁ大丈夫でしょ」


 僕は肩、腕、手を全て使い水平斬りを放った。即座に真っ二つに分かれる隕石体。明らかに、今までとは次元が違う攻撃力だった。


「……これが、固有装具……」


〔固有装具の装備中はウェポンが最適化され、スキルの効果に補正がかかり、遊力の総量が増える。一度手に入れば何時でも何処でも取り出せる優れものだ。故に、それを持てば殆ど敵はないと言える〕


 僕が拳と理宮を背負って歩いていると、ビルの影から明らかにオーラの違う巨躯が顔を出した。


「……そういえば、まだ倒してなかった……」


 力鬼:重力体(グラビティ)。重力を操る、危険等級の鬼。

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