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SG Ⅰ Soul Tags:Start Signal  作者: Omsick
Day3 予兆
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14/51

Day3-1 謝罪と恨み

 三日目。難易度がびっくりするほど低い、とても楽な日。明日のために油断させるのが目的なのかと思うほど、普通にクリアできた。

 死人ゼロでは無いだろうけど。

 むしろ僕としては、昨日の出来事を仙煌に隠し通す方が、難しかった。


「……あれ、理宮。いつも味噌汁飲まないのに」


「あら汁だよ。魚入ってるからセーフ」


「何に対してのセーフなの?」


 日数がかかるタイプのデスゲームの食事は大抵、貧相か異様に豪華な食事かの二つ。後者だった場合、死(・)に(・)さ(・)え(・)し(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)ただの快適な世界なわけで。


「このまま、順当にクリアできたらいいんだけど」


 この一言を皮切りに、ただの雑談しながらの食事に移行した。



〈5……4……3……2……1……START〉


 なあ、過憶(かおく)。


〔どうしたんだい?〕


 一つ聞かせてくれ。どうして君の喋り方はそんなに胡散臭いんだ?


〔返答に困るな。これが素だからどうしようもないんだよ〕


 そーか、なら仕方ないな。

 僕はホテルを出て、仙煌が言っていたビルに登った。彼が仙煌を殴り飛ばしたなら、相応のFFダメージが入ってるはず。つまり、上手いこと行けば和解できるはずなんだ。まぁ、仙煌の話を全くと言っていいほど聴かなかった人間だからな……会話に応じるかは怪しいけど。


 僕は外壁をよじ登って柵に手を伸ばし、屋上に着地した。

 僕の推測は、見事に的中した。

 屋上には男が佇んでいた。


「……またか……今度は誰だ?」


 “また”?ってことは、……仙煌と相対した、Artsとかいう技を使う男?情報も一致してるし。


「君が、僕の友達に手を出した人?」


「先にこちらの質問に答えてもらおうか、お前は誰だ?」


「先にそっちが名乗ってくれない?そうしたら僕は、君への対応を決めるからさ」


 喧嘩腰な気もするけど、対応手段は既に仙煌から聞いてる。遊力なるエネルギーを操作できるようになるまでは、ウェポンを駆使して逃げ回るべきだと。


「……それも、そうか。俺は跳跳(とびはね)拳(けん)。お前の友人に手を出したのは、多分俺で間違いない」


 案外すんなり名乗られた。


「……じゃ、僕も名乗るとしようか。僕は理宮高助、君に親友を、証拠もなく敵だと決めつけられて攻撃された」


 僕は跳跳を睨み付けた。


「……確認するけど、君が手を出した僕の親友とは、この場所で相対したのか?」


「そうだ。そして、水のウェポンを持っていた」


 強い疑念が確信に変わった。こいつが昨日、仙煌に手を出したイカれ野郎だ。



「待て、別に戦うつもりは無い。ただ俺は、お前の親友に謝りに来たんだ」


「下手な嘘をつくな。」


「嘘じゃねえ。昨日Resultを確認したら、FFダメージが150くらいあったんだ。そこで、俺は初めてあいつが敵じゃないって分かったんだよ」


「……FFダメージ、ねえ」


 弁解の手段としては有用だが、この跳跳という男、見た感じ頭が良いとはあまり思えない。

 ……本当の事を言っている可能性が高いな。


「じゃあ、信じようか。けど、すぐに引き合わせるつもりもない。僕に協力してくれれば、やってあげないこともないけど」


「……なぁ、それは無いんじゃないか?」


 跳跳が文句を言いだした。


「全面的に俺が悪いのは認めるが、お前に対して手を出したわけじゃない。その親友が俺に色々言うなら大いに理解できるが、なぜお前が上から目線で命令するんだ?」


「じゃあ、こう考えてくれ。僕と親友は一心同体であると。彼に手を出したとすれば、それは僕に手を出したも同然だ。ただ、君が「直接」手を出したのは仙……親友に対して。だから、僕じゃなく彼に謝る必要がある」


「……分かった。何に協力するかにもよるが、概ね納得した」


 交渉成立。僕は跳跳を引き連れて、ビルを飛び降りた。

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