大陸編 3幕 焔吹ク筒
「成程、俺らの目的はその焔ノ龍を倒すことって
訳だな?」
「そゆこと。」
大和からの説明を受け、俺は少し考え込む。
龍か…異世界じゃ基本最強種の生物…
あ、でも塚野と清水が倒してたな。
なら何とかなるか。
と、言うことで情報集めの為にもう一度王様に
会いに行く事になった。
大和と清水と塚野はもうちょっと
レベルが上げたいらしく、
王都の外にある闘技場に残る事にした。
俺たちは情報集めも兼ねて王都に5日滞在する事にした。
そういえば関係の無い事だが、
この国にはメガネをかけた人達を偶に見る。
そもそもここに来た時に身体の不調は全て解消され、
近眼の人もメガネが要らなくなって、
殆どの人がメガネを捨てていた。
このレベルアップシステムがロキの魔法なら、
これにも納得だ。
それと同じ状況ならエルフの人達もそうなのかもと
思ったが案外そんな事は無いようだ。
そもそも中世の世界観でメガネがあるのもおかしいが、
そこは一旦置いておこう。
ガラスとか色んな食べ物が中世の代物じゃないしな。
メガネくらい俺達より前に来た人達が伝えてたのかも。
そして、ギルドに着いた俺達は明日受けるクエストの
受付と宿泊施設を教えて貰う。
受付嬢曰く、近くに激安のがあるらしい。
受付嬢にお礼を伝え、俺達は宿屋に向かう。
ちなみにガチで激安で、3人で脅威の150セル。
この額で店を回せてるのが不思議なくらいだ。
だが、ありがたく使わせて貰おう。
日付が変わり、俺達は宿屋を後にしてクエストで
指定された場所に向かう。
今回のクエストは森に蔓延るゴブリンの討伐だ。
どうやら近くの村に襲撃をしてるらしく、
相当頭を抱えてるらしい。
等と話して居ると木陰からゴブリンが顔を出す。
レベルは…見れない…
ここに来てからプレイヤー以外の
レベルが見れなくなってる。
まぁそんなことどうでもいいか。
今は目の前の事に集中しよう。
ゴブリンの討伐難易度はE。
村の近くに居るゴブリンの殲滅で1500セルは
かなり美味しい。
数こそ居るが俺と小川は範囲魔法もあるし
殲滅は案外楽っぽいな。
そもそも討伐難易度のアルファベットは、
同じクラスの冒険者が
楽に攻略出来るっていう指標らしい。
ま、それならクラスが1個上の俺達なら余裕だろ。
と、思ってた時期が私にもありました。
普通に数がバケモンです。
はい。
何これ?
ゴブリンが砦築いてるのも驚きだが、
その中に居るゴブリンの数がおかしい。
500は居るんじゃないか?
まぁ…
「ほいッ!!」
砦の中に炎の波が押し寄せる。
たまたま見つけた大野が参加してくれたお陰で
雑魚殲滅が余りにも楽すぎる。
そのまま何事も無くクエストが終わった。
大野は無償で引き受けてくれたが、
俺達が納得行かないので、大野の防具類を
俺持ちで修理して貰うことにした。
せっかく行くならと、
近くの湖のほとりにある鍛治村に行くことにした。
あとついでに行きたそうにしてた絆那も連れてった。
村に着くなり、幻想的な景色が待ち受ける。
サファイアのように青く澄んだ湖。
自然と同化するくらい野生的な家。
そしてそこにはドワーフとエルフが暮らしていた。
話を聞くと大昔に同じ妖精として
同盟を結んだそうだ。
なんかいい話だなーと思いつつ、
村の人に村一番の鍛冶師を教えて貰う。
だが、皆それぞれ奇妙なことを言った。
「腕は確かなんだが…ちょっと変わり者で…」
悩んでも仕方ないと、絆那が突っ込んでくので
少し止めながらも進んで行った。
店に入るなり真っ先に目に入るのは、数々の武器。
それも全て星4つ以上だ。
武器を見てると何かを調整していたらしい
エルフが俺達に声をかける。
「お客さんかい?ちょいと待ってくれ。
ソラ!!お客だよ!」
と、声をかけるエルフ。
多分ここの鍛冶師の母親だろう。
そしてドタドタと足音を鳴らしながら
部屋にもう一人入ってくる。
「嘘?!本当にお客さんだ!?」
そこにはゴーグルを掛け、煤だらけの前掛けと
ボロボロの作業服で身を包み、
欠けてたりヘコんだりしている金槌を持つ
エルフが立っていた。
多分身長は160後半ってとこだろう。
大和より少し小さいか?
なら167とかだろう。
母親に叱られながら部屋に入るなり、
ソラと呼ばれたエルフは絆那に目を向ける。
絆那も見つめられて動揺してしまう。
「な…なんだよ…?」
「君…良い鍛冶師だね!指のタコとか煤の匂いとか!」
素直に褒められて頬を指で掻きながら照れる絆那。
ゆっくりと帽子付きのゴーグルを外すソラ。
すると汚れつつも美しい緑髪と、
燃えるような朱目が現れる。
「あたしソラ。あんたの名前は?」
「あ…あぁ。絆那だ。横のが歩夢。
その後ろが小川だ。」
大野が腕を上げながら飛び跳ねる。
「俺大野!」
「覚えた!」って言って絆那の手を掴むソラ。
本気でドキッとしてんなアレ。
耳真っ赤じゃねぇか。
「春だねぇ…」
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「ん、わかった防具の修理ね。
これだと…腕と胸と脚セットで2600かな。」
安いな。
俺はウインドウ操作で麻袋に
2600セル分の銀貨26枚を入れ、手渡す。
中身を確認して指で輪っかを作るソラ。
「まいどありー!
あ、そうだ!せっかくなら武器も見てってくれよ。」
「おぉ!見させてもらうよ!」
今使ってるこの『月夜の剣』を超えるのは無理でも
予備くらいの武器が丁度欲しかったのだ。
乱雑に置かれてる武器を退かしながら見ていると
そこに信じられないものが置いてある。
俺は震えながらソラに質問した。
「なぁ…ソラさん…これ…何処で…?」
「ん〜?」と声を出しながら俺の脇から覗いてくる。
すると、ハッとしたように声を出すソラ。
「これか!
あたしが新しく武器として作ったんだけどよ、
誰もまともに取り合ってくれねぇんだよ。」
俺は急いでウインドウから大和にメールを入れる。
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烏丸 大和
今すぐ俺の座標を
辿って来い。
何があった
来い。
おけ
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「何があった。」
「速っ?!」
ウインドウを閉じた瞬間に隣に大和が立っていた。
小川が大和に色々言ってる。
「お前闘技場の試合はどうした?」
「今日は1戦目の予選しかやらなかいから。
俺はすぐ終わらせられるし。」
俺は大和の首根っこを掴み、この筒を見せる。
不貞腐れながら筒を見た大和の目が、輝く。
傾けたり筒の穴を見たり、トリガーを押してみたり。
色々弄った後確信を持ったのか、筒を置く。
「間違いない。原始的だが、魔力で撃つ火縄銃だ。」
銃…まさかこの異世界で見ることになるとは…
まぁもう俺たち程のステータスじゃ
銃は脅威にならないが、
雑魚の殲滅から威嚇。
戦術の幅が一気に広がる。
そう思った刹那、大和が俺に手を出してくる。
「軍資金と2日くれ。
闘技場の本戦が3日後。
それまでにコイツを完成させる。」
そう言って火縄銃に手を添える。
俺はすぐに了承して、
500,000セルを渡しその場を去る。
ソラの家からは絆那とソラ、大和が興奮する声が
2日間に渡って聞こえたという。
大陸編書くの楽しすぎる




