2棟 幕間 片道切符
なんだ…ここは…暗い…
何も見えない…
あぁ〜そーいやベズドナと戦った時にした
スキルチェインの反動でぶっ倒れたんだっけ…
あぁ…眠い…
「…む…」
それにしても…ベズドナ…強かったなぁ…
「歩夢…」
もうあんなのとはやりたくないなぁ…
まぁ、ギリギリ過ぎる戦いを続けてる俺達も悪いが。
「起きろ…歩夢…!」
うるさいなぁ…もうちょっと寝かせろよ…
寝たフリだ寝たフリ…
「畜生…コイツ起きねえぞ」
「どけ小川。こいつはこう起こすんだよ。」
なんだ?何をするつもり…
「早く起きないとNTR同人音声爆音で再生するぞ」
「うわあああああああああああああああああああ!!!」
「な?」
畜生、コイツ殺してやろうかな。
飛び起きた俺にニコニコの笑顔を向ける
こいつに殺意が湧いた。
いや、そんな事よりも
「俺、どのくらい寝てた?」
6層のセーフティエリア、
『工業科科務室』の床に敷かれた布団から半身を
起こしながら大和に質問を投げる。
その言葉に大和は少し表情が暗くなった後、答える。
「16日。その間に6層は攻略した。」
「そっか。じゃあ次は7層か。」
ふぅっと息を吐きながらベッドによこたわる。
しかし俺の言葉を待ってたかのように、
大和が俺を指差す。
「実は、今そこが問題になってんだ。
ちょいと来てくれ。肩は小川が貸す。」
「俺?!」
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「ここは…」
「そ、7層に上がる階段がある場所。」
小川の肩を借りながらたどり着いた6層最深部。
そこにはファンタジー世界にあるような大きな鉄扉が
そびえ立っており、押しても引いてもビクともしない。
大和が扉を軽く叩きながらつづける。
「フロアボスに挑む直前にコレに気づいたんだが、
フロアボスを倒せば解放されると思って倒しても、
コイツはなんともねぇんだよ。」
「つまり…」
「あぁ、十中八九特殊条件だな。
教務室の時みたいな条件があんのかも。」
でも今までそれらしいものは全く見てない。
また足止めかぁ…
俺は小川の肩を借りながら扉に触れると
ウィンドウが出る。
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力無き者に先に進む権利非ず。
彼の地にて常夜の紅玉を探し、捧げ。
必要アイテム
常夜の紅玉 0/1
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「成程、今この常夜の紅玉って奴を
血眼になって探してんのか。」
「そ。」
でもそんなアイテム見た事も聞いた事も無い。
どこにあるのかすらも。
「手詰まり…か…」
悩んでいてもしょうがない。
何か無いか探してみるか…
等と考えていたその時、メッセージが届く。
「誰からだろう?」と口にしながら
メッセージを開くとそこにはこう書いてあった。
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佐藤颯人
宛先 高橋歩夢
歩夢、1棟と2棟を繋ぐ廊下に怪しいもんが現れた。
今すぐ来てくれ。
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怪しいもん…常夜の紅玉と関係がありそうだ。
俺は小川と大和に事情を話し、廊下へ急ぐ。
そこには、結晶が浮いていた。
俺らン教室にあったのと似ている。
だが違う点はウインドウが1つしか出ない事だ。
触ってもそれらしいウインドウは出てこないが、
一つだけ、『はい いいえ』というウインドウだけ
出てくる。
流石の無鉄砲男、大和もウインドウのボタンを押さず、
じっと見つめている。
無理もない。
だが、押さずにここでじっと見つめていても仕方が無い。
俺達は1度、講堂に帰ることにした。
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「うーん…どうすっかなぁ…」
相良が腕を組みながら唸り声を漏らす。
他のみんなも悩んでいるようだ。
なんの情報も無いまま
あのクリスタルを使用するか否か。
そもそも使用するで合ってるのかすら分からない。
慎重に選ばなければならないのに、
頭の中が焦りで侵食される。
そんな時、大和が手を上げる。
「一先ず俺が試すってのはどうだ?
俺なら即死トラップじゃない限り逃げられるし。」
相良が顎に手を添えて少し悩んだ後、返答する。
「確かにお前なら安全かも知れない。
だが命の保証が無いのにお前を行かせるのは…」
そこまで言った相良に小川が言葉を重ねる
「なら俺と歩夢も行くよ。」
「…分かった。3人で試してくれ。
安全ならメッセージ飛ばしてくれれば俺らも行く。」
ん?ん?あれ?俺の返答は待たない感じ?
俺はまだ行くとは言ってないのに…
行くけどさぁ…
と心の中で悪態をつく俺だった
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「いいか、トラップなら俺がお前らを抱えて避けるけど、
無理そうなら各自で頼む」
「了解。」
畜生、囮に使いやがって
だが、どの道これを避けてゲーム攻略は出来ない。
俺達は同時にクリスタルに触れ、
ウインドウの『はい』を同時に押す。
すると、クリスタルから大きな光が飛びだし、
俺たちを包み込む。
俺達は目が焼けるのを避けるために目を瞑ったり
覆ったりする。
目を恐る恐る開けると、そこには
広大な草原だった。
近くの大樹から舞散ってるであろう葉が
雨のように俺たちに当たる。
俺達が辺りを怯えながら見回すと、
唐突に声が聞こえる。
「誰っ?!」
風を切りながら振り返るとそこには
緑髪で、籠いっぱいのリンゴを抱えた、
長耳の少女が立っていた。
ついに2章完結
長すぎたなぁ
今後ともサボりながらゆっくり書いて行きます
次回 大陸




