おまけ 監視員の感想
留学生への悪質な嫌がらせは、犯人を異動させたことで終わりました。異動させた支社には留学生がいません。代わりに気の強い社員が集まっています。変なことをしようものなら即座に叩かれるでしょう。
今回は新たに開発された、ネイルチップ型録音機の試験運用も行いましたが、魔導回路を搭載することで厚く、そして重くなっていると思いました。
また非常に音質がよく対象の声を拾う能力も充分ですが、作動するのに時間がかかる上、バッテリーが切れるので長時間作動状態にさせておくことができないなど、課題点があります。
任務中これをつけていることを気付かれましたが、気が散るからといって他のネイルチップを外したせいです。次の試験は別の方に任せてほしいと思います。
私の視線の圧は強いようで、手帳のマークを見なくても驚かれました。今回のようなコソコソと隠れて嫌がらせをするような人間を相手にするとき、私のようにわかりやすいともっと隠れていってしまいます。
油断して本性を見せたところを押さえる。当たり前のようにそう出来る先輩達に、追いつける日はくるのでしょうか。
久しぶりの任務ということもありますが、課題が次々と見つかり、まだまだ勉強しなければいけないと思いました。
それにしても……ユイネ・シュナンの行動は不思議で、全く予測できませんでした。相手にしないのかと思っていたら、人の多いところまでいくなんて。
しかしあの行動がなければ、証拠の音声を取ってそのまま連れて行くこともできなかったでしょう。
そういえばスティーバについて知りたいと言われましたが、ユイネ・シュナンと話せる時間を作れるかわかりません。
いえ、監視員と対象の人物は任務が終われば関わることもない。
監視員と関わりすぎるのはよくありません。監視員には解雇などのネガティブな印象がつきまとうので、何もしていない社員からも恐れられられています。
せっかく嫌がらせも終わったのに、私と関わったせいでまた何か言われてしまうのは避けたいです。




