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Magier Krieg -マギア・クリーク-   作者: 巻刺 司
第三章
19/21

決着は水しぶきの中で


 ――港西区、埠頭 【穂波】


 倉庫から爆炎が上がったおかげで、一颯ちゃんを見失ってしまった。

 おおかた、倉庫の影にでも隠れとるんやろう。

 ならば……。

 倉庫もろとも攻撃するだけのことや。


 手当たり次第に倉庫を攻撃すると、人影が移動するのが見えた。


「そこやっ。

 オブジェクト、コメット!

 発射(Firing)!」


 岩石が倉庫街を破壊していく。逃げる人影を追いながら撃ちまくる。

 

 これだけ撃っているのに、倒せないなんて……。

 なんてタフなんだろう。 


 あの鎧か。あれも、この天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)と同じ、レアアイテムの一つなんやろうな。


 やっぱり、剣で倒すしかないんか?


 砲撃をやめて人影があった方を見ると、いると思っていた一颯ちゃんがいない。

 いるのは守護獣だけだ。


「陽動? なら、後ろやっ」


 後ろは海。


『DooooooooooN!』


 一斉にいくつもの水柱が上がったため少し驚いたが、どれかが本物ってことやろう。


「まだ『水』属性のまんまとはええ度胸やないか。

 全部叩いてしまえば本物も偽物もないやろ!」


 岩石を一斉射撃するが、迫ってきたのはレーザー砲門だけだった。


「じゃあ、いったいどこに!?」


 混乱の中、手足が拘束されていく。


「うっ、また動けない。トラップ!? いつの間に?」


「まずい、穂波! ワイも動けん!」


「ミラーコート、解除」


 いないと思っていた一颯ちゃんが守護獣の横に現れる。


「レーザー砲、『木』属性強化

 100門、チャージ!」


 魔法陣から次々と砲門が現れ、チャージを開始する。

 なんとか、逃れようとするが、身動きが取れない。 


     ◇◇◇


 ――港西区、埠頭、5分前 【一颯】

 

 何か、穂波ちゃんの油断を誘うには? 何か策はないだろうか。

 そうだ。こんな時こそ、逆引き大辞典!


 これだっ。姿を消す魔法。これならいけるかも。


「インストール、ミラーコート in ダガー。

 それから、シアンちゃん、属性チェンジ。お願い」


「了解! 『木』属性でいいんだね?」


「うん。お願い!」


 クリスタルが適用されて、『木』属性になる。


 まず、この爆炎に紛れてレーザー砲をいくつか海に仕掛ける。水中で爆発させれば『水』属性の攻撃と勘違いさせることができるかもしれない。

 

 さらに、ミラーコートを使って姿を隠して、あたかもシアンちゃんだけが攻撃を受けたように見せかける。つまり、本体を陽動に見せかけて隙をつく作戦だ。これができるのは盾無(たてなし)の鎧のおかげか。


 海側に気を取られているうちに、三鈷杵(さんこしょ)にインストールしてある拘束の魔法を発動。あとは、『木』属性の全力の砲撃を叩き込むだけ。


 向こうがこっちの属性に気づいて、またチェンジする前に方をつける!


      ◇◇◇


「レーザー砲、100門、一斉射撃!

 発射(Firing)!」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 不意をついて、拘束状態で、弱点属性の100連射。これでダメなら……。


 穂波ちゃんが光に包まれて、そして消えた。


 『クリスタル『水』がプレイヤー穂波から一颯に移動します』


「勝った……の?」

 

「一颯、やりすぎだね。話を聞くんじゃなかったのかい?」


「しまった!」

 

 強制ログアウトまでダメージを与えてしまったらしい。


「どうしよう。シアンちゃん」



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