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第6話 軽い反動

リリアの家の鶏が卵を産み始めてから

二日が経った。


村は相変わらず静かで

俺も普段通りに畑に出ていた。


ただ、今朝は少しだけ体が重かった。

頭がぼんやりして、手作業の進度も遅い。


カイルに「寝不足か?」と聞かれ

適当に返事をしておく。


——昨日、鶏に向けて動かした幸運の反動か。

そう思い至ったのは

昼近くになってからだった。


能力を使ったあと

これまで大きな不調はなかった。


だが、今日は明らかに調子が悪い。

昨夜は特に遅くまで起きていたわけでもないのに、疲れが抜けない。


「上げた分は、どこかで帳尻が合う」

誰に言うでもなく、心の中で呟く。


午後、少しだけ自分の運を戻すように意識を向けてみた。

すると、夕方頃には体の重さが和らいできた。

完全に消えたわけではない。


だが、「使いすぎなければ、うまく付き合える」という感触は得た。

夜、部屋に戻ってから、改めて整理する。

小さな幸運を分ける分には、反動は軽い。

だが、確実に存在する。


この力は、便利なようでいて、油断できない。

窓の外では、虫の声が続いている。

村の夜は、今日も静かだった。


俺は目を閉じながら、思った。

焦らず、少しずつ。

この力との距離を、測っていこう。

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