三十話 嫉妬
頑張ります
「貴様に、決闘を申し込む!」
シルトが興奮した顔で吠えた、その目線は俺に注がれている
「えーと、なんで?」
俺がそう聞くと、シルトは益々顔を真っ赤にして続けた
「貴様とルー様はどう見ても釣り合わん、ルー様にはこの私こそが相応しい!」
シルトがそういった時だった、奥の扉がガタンと開き中からルーが出てきた、
「嫌よシルト!、私は零と行く!」
「なッルー様、こんな男のどこがッ」
「少なくとも貴方よりは数倍まし!」
その言葉を聞きシルトは絶句している、どうでもいいが、かなり哀れだ
そんなシルトは、にっちもさっちも往かなくなったのか、手を剣の柄にかけて俺に近づいてくる
その顔は絶望とか憎悪とかに染まっていた、へっぴり腰で
「き、貴様さえ、貴様さえ居なければ・・・」
「俺が居なくてもルーはあんたを選ばないと思うけど、死にたいなら来いよ、刻んでやる」
「認められるか、認められるものかーーーーーー!」
ボキッバキッグシャ
「ぐはあッ」
「弱ぇなら掛かってくるなよ、手前ぇは殺す価値もない」
其処にはボコボコになったシルトが転がっていた、殺してはいない
「零、あなたってとっても強いのね、シグルスとマリウスを倒しちゃうなんて、素敵よ」
「どっちも強かったけどな、紙一重で俺が勝った」
「卑怯な方法でしたけど、勝ちは勝ち、ですか?」
「この国一番の処女を捧げるのだ」
「クロウ、黙って、頼むから」
俺はクロウを黙らせると、カイに向き直った
「じゃ、ルーは貰っていくぜ、立派な戦力にするつもりだから安全とは言えねえけどいいのね?」
「あ、ああ、ルーよ幸せにな」
「はいッお父様!今までお世話になりました」
そう言って、ルーは深々と頭を下げた、その様子をカイは眩しそうに見ている、
こうして、俺達の仲間にルーが加わったのだった。
「で、これからどこに行くの?」
城を出た時ルーが聞いてきた、その顔はこれからの冒険に思いを寄せているのだろう、輝いていた
「勿論ラルズガルドです!」
「ラルズガルド?、人間たちの王国よね?何しに行くの?」
「国盗りじゃあ、零を国王にするのじゃあ」
「そんなことさせる訳無いじゃないですか!ただ、クロウが復活したことを報告するだけです!」
「俺は国王なんて嫌だぞ、仕事ばっかで、自由無さそう、でもシェリーがどうしてもって言うんだったら、、、」
「ならなくていいです、」
「危なっかしいなあ、何かの間違いでとんでもない事しそう」
「ん?待てよ、ラルズガルドに行って、誰に俺が復活したことを言うんだ?」
「それはもちろん国王です、、、、零、ホントにホントにホントーに、失礼のないように」
「オッケー、任しとけって、余裕だぜ」
「かなり不安です」
「私も」
「俺も」
「酷ぇな、」
新たにルーを迎え、俺達の旅は続いていく、取り敢えず今はラルズガルドへの道を歩いていた、だが、そのラルズガルドで厄介なお願いをされるとは、この時の俺は欠片も思っていなかった
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